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第13話…無駄にした…

…くぅ…、

うぅっ…俺…何してたんだ?…たしか気を失って…、

そうだ…、人殺しだとなやんでいたんだ…、

動転していた気持ちは、いくらかおさまっていた。

「…ん?」

さっきまで薄明かるかったはずの世界が、また暗闇に包まれていた…、

一日中寝ていたのか、俺は…?

くそ…一日無駄にしてしまった…、

少しでも早く灯を見つけたいのに…。

長い事横たわっていたためか、だるい体を俺は起こした…。

ふとあの鐘突堂を見上げる…、

まだ鐘は遠い。

真っ暗な闇の中にある鐘は寂しげに光っている、

俺はまたそこへ向かおうと包丁を手にした…、

相変わらず包丁は血塗られている…、

けだものの血で服もどろどろに汚れていた…、

そして俺の体も俺の血で鉄臭くなっていた…。

その鼻につく鉄の匂いはますます俺の気力を奪っていく…、

俺はハァとため息をついた…。

「よし…行くか」

覚悟をつけるため、その言葉をあえて口に出した。

ぼろぼろの俺が歩き出すのはすでにそれだけで勇気のいることだった…、

さらにそこへ奴らの恐怖が付け加えられている、

俺はすでにまともに動けやしなかった…。

しかし…行かなくては、

絶対…行かないと、

灯を助けないと…。

フゥと一呼吸ついて、ついに俺はその重い右足を前に進めた…。

するとふと前に大きな建物が見えた…、

少し進むだけで景色はことごとく変わる…。

俺はその建物の前に立った…。

「水音街図書館」

図書館…、

俺は一つ思った…。

ここならばこの街で今何が起こっているのか分かるのではないかと…、

俺はそのドアに手をかけるが、もちろん鍵がかかっている…、

だが俺は何もためらわなかった…、

ゴクリと唾を飲み、その鍵のかかったガラスのドアを拳で…

かちわった…。

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