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第12話…人殺し

俺は頭を抱えうずくまっていた。

押さえつけられ、肉やら内臓やらをえぐりとられる激しい痛みを予想した…、

…しかしその恐れている激痛は襲ってこない、

…どういうことだ?

俺は顔をあげた。

さっきまでいたはずの女がいない…、

…どうなっているんだ?

奴らはやはり幽霊なのだろうか…?

何か怨念を残してこの世をさ迷っているのだろうか…?

奴らは一体何なんだ…?奴らが俺を襲うとき、というよりも俺に姿を見せるとき、それは必ず鐘の音が鳴った後だ…。

そして次の鐘が鳴ると俺の前から姿を消す…。

…奴らは鐘の音を聞いて動いているのか?

…なぜ?

そしてあの鐘は一体何なんだ…?

意味の分からない怪物を動かし、そして灯を呼び出してしまった…、

あれに一体何の力があるんだ?

灯とあの鐘は一体何の関係があるんだ…?

俺はすくっと立ち上がり、目の前のドアを開けた。

さっきまでは開かなかったドアが余りに簡単に開いた…。

外は薄明かるくなっていた、もう明け方なのだろう…、

右手に持った包丁は血でべっとりと濡れていて、そこに薄明かりが反射し赤く光っていた…。

そうだ…俺は人を刺したんだ…、

そのことに気が付いたとき、俺は愕然とした…、

理由はどうあれ、俺は人殺しまがいな行動をとってしまった…、

その絶望が急激に俺を襲った…。

俺は人殺しだ…、

狂乱者だ…、

考えても仕方ないと分かりつつも、それが俺の脳裏を過る。

人殺しだという意識が、

包丁が心臓に達するあの感覚が…。

俺はどんどん落ち込んでいった…、

逃げ場のない絶望に飲み込まれた…、

人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し…、人殺しという…ただそれだけが頭に浮かぶ。

なぜ…なんでここまで俺は悩まなくてはいけないのだろうか…?

なんでここまで悩んでいるのだろうか…?

そして俺は静かにそこに倒れた…。










コーン…コーン…、

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