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白銀の龍と白亜の王女
遥か昔の悲しいお話。
今より1000年以上前、水の女神の神殿にある1人の王女が住んでいた。
住んでいたと言うより幽閉されていたと言うべきか…
大きな湖の中心に建てられた神殿は、白く美しい白亜の城だった。
王女の名は、エルシェン。
漆黒の髪と瞳を持ち真っ白な雪の様な肌をした王女を民達は漆黒の魔女と呼んでいた。
この世界では、黒と言う色自体がが意味嫌われていた。
そもそもこの世界には、黒い髪や瞳を持って産まれる者など居ないのだ。
エルシェンの両親も祖父母も曾祖父母も皆プラチナブロンドに金色の瞳、エルシェンだけ黒を纏って産まれてきたのだ。
エルシェンを見るなり城の者達は、恐れおののき産まれたばかりの赤子を殺そうとした。
しかしエルシェンを産んだ母は、王族の子を殺すなど罰が当たると説得し、エルシェンをこの白亜の城に幽閉したのだ。
エルシェンがこの白亜の城に住む様になってから18年がたった。
この城には、水の女神に使える巫女が数人居るのみで




