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金盞花
さて、記念すべき一作目となります Scar-red blues です。いきなり王道から外れたモノを書くのは正直少し不安ですが、若さで乗り切っていこうと思います
-----月が、綺麗だ。
右手には刃物。目の前には、彼が在た。
俺の仕事。人殺し。
ゆっくりとナイフを持ち上げる。
距離を詰める。俺と、彼のいるセカイの境界線まで。
振り下ろした腕は、確かな〈死〉となり、彼の体を捌く。
殺す 殺ス コロス
何度も、何度も。
この何の面白味も無い作業を繰り返す。
世界は深緋に塗り潰され
世界は不快な声で鳴く
セカイは-----
世界は真紅に染め上げられ
世界は歓喜の詩を織る
-----俺は今、最悪な顔をしているんだろう。
それはきっと、己が本当は何であるか、理解しているからだ。
「-----俺は」
越えてしまったのだ。
次回、0章です。