ep1-4
「ノエルちゃん。朝だよー。ノアちゃんはもう起きてでかけたよー」
「……んぅ。ああ、おはよう母さん」
「もー。今日はネーヴェックを侵略するんでしょう? さっさと顔洗ってきなさい」
「おう」
んー。まだ眠いな
「ん? そういやノアはどこに行ったんだ? 」
朝食を作っている母さんに聞く
「んー。セシルさんの話だと元老院から呼び出されたとか」
「ふーん。やっぱ国家資格を持ってる奴は大変なんだなぁ」
ちなみにセシルさんとはノアの母親である
「大丈夫かな? 間に合うといいんだが」
呼び出しって事はすぐに帰って来れないんじゃないか?
飯食ったら電話しよう
「……出ない」
ノアが俺からの電話に出ない事など一度もないんだがなぁ
なんか不安だ。元老院に行ってみるか
「今日もよろしく。ジパン号」
説明しよう。ジパン号とはバイクを華麗に乗りこなす仮面戦士ジパングに憧れた俺が死に物狂いで働いた結果手に入れた普通のバイクである
「さて。どうせ門前払いだろうけど」
ジパン号のエンジンをかけて走り出す
「……そろそろバイクで攻撃できるようになるかな」
仮面戦士ジパングはなんとバイクの前輪で敵を攻撃したりするのだ
俺もいつかはやってみたいものである
なんてくだらない事を考えてる内に元老院に着いた
「む、よぉ女男。今日は自らやられに来たのか? 」
門番が槍で門を塞ぎつつおちょくってくる
「うるせーよ雑魚。んなことよりノアがここに来ただろ? まだいるのか? 」
「よくもまぁそんな態度で会話できると思ったよな。ウィンターならしばらく元老院で拘束されることになった」
「なっ!? どういう事だおい! 」
「気安く触るな人間! 」
思術による衝撃で吹き飛ばされた
「あの女もバカだからな。散々人間とは関わるなって言われてたのにお前なんかとつるんでるからこうなるんだ。当然資格も剥奪だ。あーあ、もったいね」
ノアは別に資格なんか気にしないだろうけどな
「今頃ガウェインにしつこく口説かれてるんじゃねーか? いや、ひょっとしたら強引に……」
ガウェインに……?
「なら迷ってる暇なんかねーな。変身! 」
『Welcome Vanquisher』
「うおっ! まぶし」
「うら吹き飛べ!! 」
すげぇ。普段よりもずっと身体が軽い。それでいてすげー力だ
「な、なんじゃこりゃ……」ガクッ
壁に叩きつけられた門番は気絶した
「よし。じゃあお邪魔するかね」
いくら変身して強くなったとしても油断はできない。なにせ相手は思術を使うんだからな
「ん!? なんだあれ!? なんか可愛いのがいる! 」
おっと、見つかった
「バカ野郎! 侵入者が現れたって警報出せ! 」
「す、すまん」
施設内に警報が鳴り響く
「バカな奴め。1人で何が出来る! 」
そう言って思術の電撃を放ってくる兵士
「あぶねぇ!? 」
身体を捻り間一髪で電撃を避ける
「なっ!? 電撃を避けた? 」
「次は俺の番だ」
一瞬で兵士との間合いを詰めた
「とうっ! 」
「ぼぎゃああああああっ!!! 」
渾身のアッパーカットで兵士は真上に吹き飛んだ兵士は天井に突き刺さって
天井
______ ←こんな感じになった
|
八
「大丈夫かな? あ、ピクピクしてるし大丈夫そうだな」
さて、まずはノアを助けよう
「あんぎゃあああああっ!! 」
ん? 階段の下から悲鳴が
「……あ、ノエル」
「お。ノア。って、すげーな」
ノアも既に変身して暴虐の限りを尽くしていた
身の丈以上ある槍を担ぎ真っ白い髪と肌を返り血で染めて立つ姿は最早白い悪魔だった
「連邦のモビ〇スーツかお前は」
ちょっと面白いかと思ったけどそんなことはなかった
「……大丈夫。殺してはいない」
「その返り血の量で本当かそれは」
「大丈夫。皆ピギャアアとかウヒョオオオって言ってた」
「じゃあ大丈夫だ」
コメディに徹してくれているならそれでいい
「……助けに来てくれたんだね」
「おう! 俺たちはニコイチだからな」
当たり前のことなのさ
「うん」
当たり前のことだけど、嬉しそうに笑うノアの顔を見たら俺も嬉しくなった。まぁ返り血まみれの顔で笑ってるのは少し不気味だが
「貴重なノアの笑顔が……」
まぁいい
「じゃあこのままここを陥とそう」
「……ラジャ」
俺も武器を出してと
『Permission to Engagement』
「よし。行くか」
とりあえず分かったこと。アドライバーはチート級の強さを持っている
あの後何回か思術を食らったが、痛いけど生身で受けるよりもずっと楽だった
そして、まさしく無双状態だった俺達はあっという間に元老院ネーヴェック支部を陥落させた
「まぁ、これだけじゃネーヴェックを征服したとは言えないけどな」
「うん。お城があるからね」
そう、元俺の家であるネーヴェック城を奪取しなくてはならない。そしていずれは現王都、パシニカにいる元老院の奴等をぶちのめさなければならない
待ってろ元老院!!!
~一方その頃の元老院~
「マジで。あーっしの男に手ぇ出すとか舐めてんの? オカマなめんじゃないよ! 」
「ああ。どこかに良い男いねぇかな。掘りてぇなぁ」
「うひっ。うひひひひっ。お鼻畑。お鼻がいっぱい。ノーズがいっぱい。うひひひひ」
「なぁ。ビアンカ」
「なんでしょうか」
「こんなんで大丈夫なのだろうか。元老院」
「まぁ、皆さん腕は一流です。あなたと私がまともならなんとかなるのでは? 」
「そうかなぁ」
元老院長のストレスはぐんぐん加速するのだった!




