ep2-5
カタナを構えて、蝙蝠と向き合う
「これでも食らうがいい! 」
とうりょう の ちょうおんぱ!
「ぬおっ!? なんだこれクラクラする」
ノエル は こんらんしてしまった!
「わさああああっ!! 」
わけもわからずじぶんをこうげきした
「う~~~あ~~」ピヨピヨ
「今度こそ死ね! 」
「ぐぶっ!? 」
また羽に打たれて壁に叩きつけられた
あー。なんとかクラクラは治ったけど、なかなかのダメージだ
「かはっ……あー、しんどい」
ああ、ダメだ倒れる
「だ、大丈夫!? 」
「いや、結構ダメ」
とてもじゃないがあのでかい蝙蝠とは戦えない
「あ」キュピーン
そうだ
「な、なに? 」
「…お前が…戦ってくれ」
これから世界征服に加わってもらうわけだからな。今の内に変身に慣れてもらわないと
「ええっ!? 僕が? 」
不安そうに自分を指差すヴァンパイアちゃん
「大丈夫…これを…巻いてボタンを押すだけだから」
「な、何がなんだか分かんないよ!? 」
「…倒せと…までは言わない。俺が…休憩する時間をくれ」
そうこうしてる間に元の姿に戻った頭領が近づいてくる
「さぁ。邪魔者は消えた! 」
「わわっ! あーもう! どうせこのままだとダメなんでしょ! 」
ヴァンパイアちゃんがベルトを巻いてボタンを押した
『Welcome Vanquisher』
あ。無理……おやすみ
激しい爆発音で目が覚めた
「無理無理!! 僕1人じゃ無理だって!! 」
見ると黒い鎧に身を包んだヴァンパイアちゃんと蝙蝠が空中で戦っていた
「おー。屋根が無くなってる」
相当な戦いだったんだろうな
「うし。じゃー俺も行きますかね」
気絶して変身が解けていたのでボタンを押す
『Welcome Vanquisher』
『Permission to Engagement』
武器を取り出してヴァンパイアちゃんのもとに走る。残念ながら俺は飛べないのでね!
「あー! やっと起きた! 」
「すまん! おかげで回復できた! 」
手を合わせて謝る
「別にいーよ! それよりすごいねこのベルト! 僕飛んでるよ! 」
「おいおい! 余所見するな! 」
「うわっと! 」
羽による一撃を思術で防ぐヴァンパイアちゃん
ってかあいつ武器を出してないな
「おーい! ベルトの左のボタンを押せー! 」
「ん? これ? 」
『Permission to Engagement』
「どわああああああっ!! 」ザクッ
ヴァンパイアちゃんのベルトから大鎌が降ってきた。あぶねーな
「わーすごーい! マジでどうなってるんだろー? 」
「だから余所見すんな! 」
「わきゃあっ!? 」
羽で殴られ地面に落ちるヴァンパイアちゃん
「いたた……」
「大丈夫か? 」
落下の衝撃でできたクレーターの中にいるヴァンパイアちゃんに声をかける
「びっくりしたー。ま、この鎧のおかげでそんなにダメージはないけど」
親指を突き立てるヴァンパイアちゃん(ちなみにこのサインはサムズアップって名前)
「そうか。よし、じゃあ今から2人でやるぞ」
大鎌を投げて渡す
「あいあいさー! 」
景気よく鎌を振り回すヴァンパイアちゃん
「ぬ? 2人がかりだと? それは卑怯だ! 」
「はっ! 卑怯もクソもあるかよ! 」
まぁ? 俺1人で余裕だけども
「ちっ! まぁいい。ならば食らえ! 」
口から光線を吐き出す蝙蝠
「ぬおっ!? なんじゃありゃ! 」
アドブラ並みの威力がありそうだ
「一緒にいたらヤバイね。じゃあ僕は上に行くよ! 」
そう言い残して飛んでいってしまった
「やばいやばいやばい!! 」
走って逃げ回る俺
なんで俺しか狙わねーんだあいつ!
「せーいっ! 」
ヴァンパイアちゃんが鎌で斬りかかった
「ふんっ!! 」
「あわわわわわっ!!! 」
が、羽で風を起こされ飛んでいってしまった
「はーっ! はーっ! こんのっ! 」
その隙に蝙蝠に駆け寄り跳躍からの斬撃をおみまいする
「ぬおっ!! ぐおぉっ!! 」
羽を切られ地面に落ちる蝙蝠
「ぐあっ! くそぉっ!! 」
さすがのヴァンパイア頭領もこれだけ戦っていればスタミナが切れるのだろう
「まだだ! まだ負けん! 」
肩で息をしつつも立ち上がる頭領。そのままファイティングポーズをとった
「はぁ……っ! やってやるよ! 」
その意図を理解して俺も武器を捨てる
「あのメスは私の物だ!! 」
未だに鋭さのあるパンチを避ける
「いい歳こいて……! 若い女に発情してんなよ! 」
俺のパンチが当たる、そう思った時
「どっかああああああああん!!! 」ザックン♪
「ぷぎょおおおおおおおおおっ!!!」
空気の読めない奴が降ってきた
「やったー! 僕達の勝ちだね!! 」
「……あ、ああ。うん」
ま、まぁ勝ちなんだけどさ




