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天命
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人は誰しも皆、「天命」を背負って生まれてくる。
それを叶えることこそ、最も幸せな生き方だと皆信じていた。
それを疑うものなど誰一人いなかった。
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ある小さな村に、一人の少年がいた。
村で一番、頭も良く、体も強い少年だった。
皆、彼の「天命」を知りたがっていたが、少年は誰にも話さなかった。
村人たちは言う。
「天命を叶えること以上の幸せはないぞ」
と。
ある夜、村は大いに賑わった。
五十を過ぎても天命を叶えられなかった宿屋の老人が、ついにそれを果たしたのだ。
その顔は、誰の目から見ても幸せそのものだった。
その姿を見て、少年は思った。
今も十分幸せだが、天命を叶えたらもっと幸せになれるのだろうか、と。
翌日の朝。
村は騒然としていた。
少年が死んでいたのだ。
「おい、この顔を見てみろ。嬉しそうに笑っているぞ」
その夜、村は昨日以上に賑わった。
村の人たちは、幸せそうに笑う少年の亡骸を囲み、昨日より多くの酒を飲んだ。
厳しい感想お待ちしております。




