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スクラップブック:勇者の影で笑う猫  作者: beens
第3章:四天王の来訪と、魔境の開拓

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6話『世界一幸せな、魔王の村』

「希望の芽吹き村」……かつてそう呼ばれた場所は、今や「聖魔都市ノア」として、世界地図の中心に君臨していた。

高い城壁は不要になった。なぜなら、村の入り口では元・四天王のヴァルトスが率いる「世界最強の自警団」が睨みを利かせ、上空ではシルフィーヌが常に最適な気候を維持し、物流はザガンが、そして経済はメルキオールが完全に支配しているからだ。

「……よし、魔界からの特産品『魔銀砂』の輸入関税を3%引き下げろ。代わりに、こちらの『勇者の特製パン』の輸出割り当てを倍にする。これは命令ではなく、戦略的提携だ」

村の役場(実質的な政庁)では、ポロシャツ姿の魔王ゾルガードが、山のような書類を高速で処理していた。かつて破壊の限りを尽くした魔王は、今や「世界一有能な実務家」として、人間界と魔界の架け橋となっていた。

「インターン……いや、魔王さん。お疲れ様! 差し入れのハーブティーだよ」

「……ああ、勇者アルトか。助かる。……それにしても、貴殿がただ笑っているだけで市場が安定するというのは、未だに解せぬな」

「えへへ、そうかな? みんなが幸せなら、それが一番だよ!」

純粋な善意を振りまくアルト。その足元で、俺はいつものように欠伸をしていた。

(……アーク。状況はどうだ?)

『(完璧です、主殿。人間と魔族が共存し、互いに経済的利益を追求することで発生する「ポジティブな魔力」の総量は、かつての紛争時代の100倍を超えました。……これらはすべて、主殿の「魔力徴収」によって、あなたの糧へと変換されています)』

俺はこの世界を救ったのではない。

「紛争」という効率の悪いスクラップ(廃棄物)を、「平和な経済活動」という名の、持続可能な魔力生産プラントへと作り変えたのだ。

聖女リナリアは、この光景を「神の奇跡」と呼び、毎日俺の前に最高級のキャットフードを供え、熱心に祈りを捧げている。

彼女の信仰心もまた、質の高いエネルギーとして俺の中に蓄積されていた。

「にゃーん(さて……この世界の『整理整頓』は、概ね終わったな)」

俺はアークの頁をめくらせた。

この世界の全ての技術、魔力、そして「神」や「魔王」といった最高級の素材は、すでに俺という存在の中にデータとして保存され、血肉となっている。

『主殿。……この世界の次元壁の外側から、微かな「ノイズ」を感知しました。……』

俺は空を見上げた。

青い空の向こう側に、新たな「獲物」の気配が漂っている。

「……にゃお(さあ、来るなら来い)」

俺が小さく鳴くと、影が世界全体を包み込むように一瞬だけ揺らめいた。

勇者が笑い、魔王が働き、聖女が祈る、歪で完璧な楽園。

その影の支配者は、すでに次なる次元の扉に、鋭い爪をかけていた。


【アークの記録帳スクラップ

• 個体名: ノア

• 種族: [次元を喰らうワールド・イーター]

• レベル: 30(この世界の管理権限を掌握)

• 称号: [真の救世主]、[次元の整理人](New)

• 保有スキル:

• [捕食進化]、[影の支配]、[因果捕食]、[神威の眼]、[偽造の奇跡]、[NPCマスク] 等

[次元跳躍ワールド・シフト](New):整理の終わった世界を離れ、新たな次元へと移動する。

• アークの分析:この世界の「スクラップ・プロジェクト」は成功裏に終了しました。

ここまでお読みいただきありがとうございます!

読者の皆様の応援のおかげで、ここまで書き進めることができています。

もし「続編が気になる!」「応援してるぞ!」と思っていただけましたら、ぜひブックマークや、星での評価で応援をいただけないでしょうか。

皆様のポイントが、ランキングを駆け上がる原動力となります!

これからも熱い展開をお届けします!

よろしくお願いします!

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