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<EP_025>祭りの後

<登場人物>

アストレイア:正義の女神

イーリス:虹の女神

テセウス:英雄。冥界の椅子に張り付いている

アリアドネ:テセウス被害者の会 会長。テセウスの被害者でもある

メーディア:テセウス被害者の会 顧問。百戦錬磨の魔女

パイドラ:アリアドネの妹。テセウスの被害者

ヘレネ:テセウスの被害者

ペリグネ:テセウスの被害者。シニスの娘であり、メラニッポスの母

パイア:テセウスの被害者。猪を飼ってるオバちゃん

ケルキュオーン:テセウスの被害者。オカマ

アンティオペー:テセウスの被害者。アマゾンの女王の妹。ヒッポリュトスの母

デメテル:豊穣の女神。居酒屋でめて〜るの女将


会がお開きになり、迎えの来た女性陣は帰り、その他の女性陣はイーリスによって送り届けられていった。

居酒屋でめて〜るには女将のデメテルとメーディア、アストレイアが残っていた。

すでに暖簾は下げられており、デメテルはカウンターを拭き、メーディアはお茶を飲みながら煙管をくゆらせていた。

そんななか、アストレイアは水の入ったジョッキを手にカウンターに突っ伏していた。

「正義ってなんでしょうね?テセウスみたいなドクズが英雄扱いなんですよね……私の仕事ってなんなんでしょう……」

カウンターに突っ伏しながら、誰に言うともなくアストレイアは呟く。

「さあね。正義なんてものは時代によって変わるものさ。大義なんてものは後世の人間が勝手に付けていくのさ。だから、その時のアストレイア様の裁きが正義ってことでええんやない?」

紫煙を吐き出しながらメーディアが答えていく。

「そうねぇ……正義なんて人それぞれじゃないかしら。だから、アストレイアちゃんはアストレイアちゃんの正義を信じれば良いと思うわよ。大事なのはあなたがあなたでいることよ」

デメテルは優しげな顔で語っていった。

「う〜ん、私だけの正義か……」

アストレイアは考え込んでしまう。

「ま、時には肩の力を抜いて考えるのもええやろ。いつも肩肘張ってたら疲れるだけやで」

メーディアは笑って答えていく。

「むぅ〜、メーディア姐さんのほうが私より年下なのに、上から目線なのがムカつくぅ〜」

メーディアの言葉にアストレイアは唇を尖らせてしまう。

「ま、アストレイア様とはくぐってきた修羅場の数が違うからな」

アストレイアの姿にニヤリとメーティアは笑って答えた。

「でもな、アストレイア様が迷っていたらウチら地上のモンが困るんや。迷ってもええ。ちゃんと正しき道の先にアストレイア様がいてくれたらそれでええねん」

「そうね。アストレイアちゃんの正義を貫いていけば、それが答えになると思うわ。頑張って」

「はい。わかりました」

二人の言葉に両手でジョッキを持ちながら、アストレイアはまっすぐに前を向いて答えた。

そんな中、イーリスが入ってくる。

「アストレイア、お待たせ。全員送ってきたよ。じゃ職場で良い?それともスピカまで送る?」

アストレイアは少し考えた後、「今日はスピカまでお願い」と答えた。

「メーディア、あなたはどうする?アストレイアをスピカに送るなら、あなたを先に送るけど」

「ん?ウチはええで。メドスが迎えに来るやろしな」

「そう、じゃあ、デメテル様、メーディア、お疲れ様。アストレイア、行こう」

そう言ってイーリスは入口へと向かう。

「デメテル様、メーディア姐さん、今日はありがとうございました」

二人に深々と頭を下げるとアストレイアはイーリスの待つ外へと向かっていった。


【地獄の飲み会 新解釈ギリシャ神話・テセウス物語 Fin.】


二人が出ていった後、メドスを待つメーディアが水晶玉を眺めていると面白いコメントを見つけた。

「アハハ、デメテル様、これ見てよ」

「どれどれ」

デメテルが覗き込むと、そこにはこんなコメントが書かれていた。

「デュオニュソスは酒と狂気と芸術の神。だから、最高の酒の肴となるように、生粋のクズであったテセウスをクズ道を極めるように加護を与えた。全ての謎は繋がった……全てはデュオニュソスの陰謀だったんだよ!」「な、なんだってー(ΩΩΩ)」

「これ、サイコー!」

声を上げて笑うメーディアにデメテルは小首を傾げた。

「でも、デュオニュソスちゃんならやりかねないかも」

「マ、マヂ!?」

ニッコリと笑うデメテルの笑顔にさすがのメーディアも背中に冷たい汗が流れた。

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