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<EP_002>母の心情、娘の事情

<登場人物>


アストレイア:正義の女神

イーリス:虹の女神

テセウス:英雄。冥界の椅子に張り付いている

アリアドネ:テセウス被害者の会 会長。テセウスの被害者でもある

メーディア:テセウス被害者の会 顧問。百戦錬磨の魔女

パイドラ:アリアドネの妹。テセウスの被害者

ヘレネ:テセウスの被害者

ペリグネ:テセウスの被害者。シニスの娘であり、メラニッポスの母

パイア:テセウスの被害者。猪を飼ってるオバちゃん

ケルキュオーン:テセウスの被害者。オカマ

アンティオペー:テセウスの被害者。アマゾンの女王の妹。ヒッポリュトスの母

デメテル:豊穣の女神。居酒屋でめて〜るの女将


「それではイーリス様、お願いします」

「は〜い」

アリアドネの言葉にイーリスが指を鳴らすとテーブルの中央に置かれた水晶玉から壁に向かって映像が映し出された。

中央には椅子に座らされ、尻が椅子と癒着して動けなくなっている全裸のテセウスが映しだされた。

「やっほ〜!冥界のペルセポネちゃ〜ん、聞こえる〜?」

イーリスの声に全身をモザイクで隠されたペルセポネが出てくる。

「は〜い、聞こえてますよ〜!皆さ〜ん、楽しんでますか〜!」

「「「Yeah!!!」」」

テセウスの登場に会場のボルテージは更に上がった。

コメント欄では「テセウス真っ裸ww」や「ペルセポセを映せ!」「イーリス様、ガチ無能」「冬だしなぁ」などといったコメントが流れていった。

「ちゃんとアストレイア様も来て下さってるのね。ありがとうございます」

モザイクの奥のペルセポネがお辞儀をしたようだった。

「どういうことだ?私はハーデス様にここに来るように言われたんだが」

眉を潜めながらアストレイアが答えるとペルセポネらしきものが頭を上げたように見えた。

「いやぁ、どうせテセウス糾弾会をするなら、本物を呼びたいよね〜ってことになって、旦那に頼んで来て貰ったの〜」

ペルセポネは悪びれた様子も無く言ってくるので、アストレイアはどっと疲れが襲ってきた。

「ふざけるな!こんなバカ騒ぎに付き合っていられるか!私は帰る。仕事が残っているんだ!」

そう言って立ち上がろうとするアストレイアをイーリスが肩を抑えた。

「まぁまぁ、そう言わないの。これはハーデス様の命令だよぉ〜。上司の言うことは聞くものだよぉ?」

イーリスは意地悪そうな顔でケラケラ笑いながら言ってくる。

冥府の王であるハーデスはアストレイアの同僚でもある冥府の審判ラダマンティスの上司であるため、アストレイアにとっても上司と呼べる存在なのだ。

アストレイアは舌打ちをして、渋々、座り直した。

「は〜い、大丈夫だよ〜。続けよ〜」

アストレイアが座り直したのを見て、イーリスが先を促した。

すると、今度は入口の襖が勢い良く開かれた。

「ペルセポネちゃん!」

ペルセポネの声が聞こえたからであろう、女将のデメテルが飛び込んできた。

「やっほ〜、お母様、元気ぃ〜」

画面ではモザイクのかかった物体が手を振っているようだった。

「ペルセポネちゃ〜ん」

デメテルは画面のペルセポネらしきものに頬ずりする勢いですがりついていく。

「ねぇ、イーリスちゃん。どうしてペルセポネちゃんはモザイクで、こんなクズが何もなく映しだされてるの?モザイクを外して頂戴」

デメテルは顔を怒らせて、イーリスを睨みつけた。

「あー、すいません、デメテル様。この時期のペルセポネは地上に映してはいけないって、冥界放送法に書かれていまして…」

デメテルの剣幕に、さすがのイーリスも声がどんどん萎んでいく。

「こめんね〜、お母様。ウチのバカ旦那って独占欲MAXでしょぉ。今も画面外で指をチョキチョキさせてんのよぉ」

ペルセポネの笑い声が響いてくる。

「ん?何?カットしろ?やぁねぇ……別に公共電波じゃないし、生放送なんだからカットできるわけないでしょ〜」

画面内のペルセポネは小声になって画面外へと話しかけた後、再び向き直った。

「お母様、ちゃんと春になったら帰るから、心配しないでね〜」

画面内のペルセポネがそう言うと、デメテルの顔が元に戻っていった。

「そういうことなんです。申し訳ありません、デメテル様」

イーリスも頭を下げると、デメテルはため息をついて、画面に向き直る。

「ペルセポネちゃん、身体には気をつけるのよ」

そう言うと、デメテルは画面を撫でて、何度も振り返りながら座敷を出ていった。

デメテルの背中に、コメント欄では「デメテル様、テラかわいそす」「大丈夫、春になったら会えるよ」「ハーデス、タヒね」などといったコメントが流れていった。

「そ、それでは、改めまして…『チキチキ・テセウス糾弾会』、開催でぇ〜す!次回、英雄死す……デュエル・スタンバイ!」

「「「Yeah!!!!」」」

横を向きながら唇を尖らせているアストレイア以外の全員が雄叫びを上げた。

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