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ハデス

こんな時は知恵神いや冥王ハデス、王麗明にインスタで聞く。

王麗明は夏休みの海の洋館で知り合った。

事故で両親が寝たきりとなり、犯人の父親の企業の社外取締役となった中国華僑で東大の学生である。

ラインやアジア製のアプリが嫌らしいので仕方ない。

ページはあるが投稿は無い形で存在してる。

状況を説明したら、会って話すと言われた。

「インスタで良いのに…」

今、国立博物館で故宮博物館展をやってるので見に行くことになった。

いつもの黒シャツに黒パンツで長い前髪をサイドに流した王麗明が噴水前にいた。

「忙しいでしょ?インスタで良かったのに。」夏希が言う。

「社外取締役なんて忙しくないよ。今、株の持ち分で話し合いしてる。」王が博物館の大階段で振り返り笑う。

「わあ〜乗っ取る気だあ〜」夏希は寒気がする。

王には親から引き継いだ莫大な不動産資産がある。

マリアの父が許せば人工知能アプリ会社の株を半分以上保有する気だろう。

「不思議だよね。中国4千年の文化遺産は本国で見れないんだよ。台湾か日本じゃないと見れないんだよね。」展示物を見ながら王が独り言のように話す。

「仕方ないじゃない。歴史で習ったよ。蒋介石が台湾に持ち出さなかったら、文化大革命で全部壊されたって。」

夏希は最近習った話をする。

「さすが受験生だね。良く知ってる。」

「中国って1つの国みたいに言われるけど、事実上はヨーロッパ連合EUみたいなもんだからね。

言葉も通じないし、文化も歴史も違う。」少し寂しそうだ。

「まあ、僕は日本人になるけどね。」王麗明が振り返り微笑む。

「さあ、日本がいつまであるか?分かんないよ〜

小さいしね。上海や香港のお仲間なるかもしれないよ?」夏希が言うと王麗明が笑う。

「だから夏希は好きだなあ〜」博物館を出て噴水を通り駅に曲がらず真っ直ぐ進む。

「どこ行くの?」夏希が聞く。

「西郷隆盛像、見ようよ。」イヤな予感がする。

「彼は薩摩藩士を官軍として使った責任者だったから

明治政府が彼らを使い捨てにした以上、政府に反旗を翻すしか無かった。

薩摩と日本の板挟みで自決するしか道が無かったんだよね。

日本って1つの国になるための犠牲になった。」王麗明は日本と中国の板挟みだから、西郷隆盛に思い入れがあるようだ。

が、問題はそこじゃない!

「西郷隆盛の連れてる犬、ツンて名前のメス犬だったんだって♪」王麗明が無邪気に指さす。

「夏希もツンにならない?」

こいつも楊世みたいな変態だった。

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