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好感度の罠

王麗明に報告し質問する。

なんで、先生は追い詰められたのか?

「教師やアイドルや役者でも主役やる人は、好感度高いだろ?

だからこそ、それを裏切る時に何が何でも隠そうとするんだよね。

そして、最悪の選択をしやすい。」

王麗明が説明する。

「裏垢なんて犯罪じゃないんだし、バレても叱られるくらいでしょ?」夏希はそう思う

「それは夏希に好感度が無いからだよ。

でも教師は社会的に尊敬されてる仕事だし、そんな人が裏垢に関わって他人に成りすまして人を誹謗中傷してたなんて!

もう社会的信用が失墜するんだよ。」王麗明の説明でも

好感度から遥か遠い夏希にはイマイチ響かない。

夏希を突き落とすまでを想定してたが、夏希は半信半疑だった。

自分ならバレたら謝って教師辞めるなあ〜と思うから。

「それが違うんだよ。先生失踪したんだろ?

もしかしたら、もう亡くなってるかもよ?」王麗明が不吉な事を言う。

「え〜っ、裏垢バレたくらいで死なないでしょ!やめて!縁起でもない!」と怒ってメールを終えた。

が、体育祭から数日後、本当に学校前の運河に吹石美香が浮いた。

屋形船の引き込み休憩場所になってるので、常に数艘停泊している。

それが動いた瞬間に現れたのだ。

見つけたのは学生達だ。

実は運河に向けての階段は壁が2階から3階までガラス張りになっている。

本当に都立なのに金が掛かっている。

まあ、その為女子の割合が高くなってしまったのだが。

動いた屋形船の下からぷか〜ッと白いマネキンのようなものが浮く。

薄いジョーゼットの花柄ワンピースを着た吹石先生だった。

悲鳴とパニックが学校を襲った。


やっとイヤな体育祭をくぐり抜けたのに、担任が死体になるとか…やめてもらいたい。

夏希はズーーーーーンと落ち込む。

夏希を襲い失踪してしまっていたのだから。

もうイジメの問題じゃない!

警察の話では自殺の可能性が高いと発表された。

外傷らしい外傷は無く、溺死していると。

夏希が落ち込んでると、まさかの日高明奈が声を掛ける。

「私の無実を証明してくれたのに…なんか、こんな事になってごめんなさい。」

もうあまりの事にその部分は忘れてた。

「いや、まさかニセモノが吹石先生だったとは思わなかったよね〜そして、こんな事に…」さすがの夏希も言葉を失う。

「葬儀は密葬だって。一応、ご家族の方に聞いたんだけど。」日高が話す。

「ご家族に連絡したの?本当にお疲れ様。

ツラかったでしょう?」思わず日高明奈をねぎらう。

「うん…まあ、でも連絡しない訳にはいかないから。」日高が困ったよう顔をする。

優等生とは、不思議な生き物だ。

こんな時も任務を遂行するのか?

「良いんだよ。無理しないで。先生、大人に任せておけば!」夏希はちょっと感情的になる。

「私…楊世君と話して分かったよ。

私は自分が好きなんだなって。

楊世君の方が優秀でまとめる力があって、何でも出来るのが嫌だった。

全然好きじゃ無かったよ。

ごめんね。アナタに嫉妬したのは無意味だったよ。」

日高明奈が急に告白を始める。

「はい?」夏希はキョトンとする。

なぜ?今、このタイミングなんだ?

「だから、体育祭の援団終わってホッとしてる。

この教室は私のテリトリーだから。

先生は臨時教師だから、私がしっかりしないとね。

任せて!」夏希の肩をギュとして去った。

良く意味は分からないが、今 日高さんはそんなにしんどくは無いみたいだ。

良かった。

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