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操り返された?

 そして翌日。

 ニュースや新聞が壮大に賑わった。

 来月から消費税の撤廃と毎月30万ベーシックインカムの支給を開始するという、

 今までの政治ではあり得ない方向転換に。


 この事をテレビを見て、阿川は知った。

 ただただ、唖然・呆然とするしか無かった。


「信じられねぇ。アッサリ実現しちまったよ」

 

 しかし、嬉しいものは嬉しい。少年心全開で、阿川は歓喜した。


「いゃっほぅ! 最高じゃねぇか! これで俺の人生、極楽よぅ!」


 夢が実現した事の記念に久々の外食へと向かう阿川だった。

 

 昨今ではラーメン屋ですら、けっこう値が張る。

 節約を考えれば、ラーメン屋すら極力行きたくないのが悲しいかな、不景気なご時世。

 故に、ラーメン屋での食事は無職にとってはこの上ない贅沢なのだ。


 阿川はラーメンを喰いながら、耳にする。

 他の客たちがざわついている・会話している内容に。


 それはどれも、

「消費税なくなるんんだってな。ラッキー」

「しかも毎月30万もらえるなんてな。俺、働く時間を週四の一日5時間に変えてもらう。それが出来ないなら辞めてやるんだ」

「お前も真面目だねぇ。俺は未練なく会社辞めてやるさ」


などといった、消費税撤廃&ベーシックインカムの話題で盛り上がっていた。


「ふふっ、総仕向けたの、実は俺なんだよなぁ~。俺ってば、影の英雄だねぇ~」

 と、脳裏でほくそ笑むのだった。


 これから自分たちは低賃金長時間労働に苦しまなくて済む生活を謳歌出来るのだと、意気揚々としたまま、日本の国民の大半は睡眠へと入った。


 その翌日は……。

 昨日以上に激しく荒れる。

 それは何故か?

 昨日実施すると言った筈の消費税廃止&ベーシックインカム実行が反故にされたからである。

 政府は「そんなふざけた制度、やりません」の一点張り。


 国民たちを期待させてから落す。

 国民たちに激しい怒りと落胆が迸り、批判の豪雨が降り注ぐ。


 阿川が何より、状況に唖然となる。

「ど、どういう事だ? 政府はこの俺が操った筈なのに……」

 推理する阿川。

「よし、まずは他を試してみるか」

 ブラック企業で有名な会社の社長の名を調べ、阿川はその社長を辞任させて残業&休日出勤廃止&賃金2倍にするように書き込む。


「今度はこいつが1日しか効力持たないか、後で元に戻されるか見てみるか……」


 次にアプリの説明を閲覧。

 しかし、効力は上書きしない限りは永劫に続くと記載してあった。


「う~ん、効果に時間制限がある説は消えたか。じゃあ何故だ?」


 考えられるのは1つ。阿川はハッと気付く。

「まさか、悪の権力者を操る能力を持っている奴が俺以外にもいるのか? そうとしか考えられない。まぁ、確かに居ないなんて保障はないもんな……」


 さて、どうしたものか。操った内容を消されては困る。

「幸いにも俺の素性はまだバレていないハズだ。政治家を悪徳政治家に戻した奴はつまり、政治家の味方。国民を苦しめるエリート側の奴だと推測。ならば、候補は結構絞れるんじゃないのか?」


 阿川は戦意を滾らせ、立ち上がる。


「悪徳政治家を守る極悪人か。この俺が見つけて、潰してやる!」


 果たして、阿川は謎の敵を暴き、討伐出来るのだろうか?



次回へ続く







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