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サモナーズロード ~召喚士の王~  作者: 糸音
GAME3 守護の竜騎士と無限の機械兵
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戦いの後で

「……それで、紬さんとはその後どうなったの?」


 戦闘があった翌日、聖也は那由多に誘われてファミレスで食事をしている。どうやらこの前の戦いのお礼らしい。

 お礼とは言うが、勝てたのは那由多とアーサーの力も大きかったから、一方的におごられるのはちょっと申し訳ない気もする。

 だけど「私に奢らせて」と譲らなかったから、この場はご馳走になることにした。


「ふふーん、それがね」


 那由多はイチゴパフェを一口食べてから、手でピースを作ってどや顔になる。


「今度出るスタバの新作メニューで手打ちにしてやったわ。次の土曜で奢ってもらう予定」

「……それはなんというか、まあ……」


 命を狙ってきた相手に対して、かなり甘いんじゃないか。

 そんな感想が浮かんだ時、那由多が儚げに微笑んだ。


「……甘いでしょ。でも私たちもやり返してライフ奪ったんだし、これでおあいこ。それでも狙ってくるようなら、それはその時考える」

「那由多さんはそれでいいの?」

「いいよ。手段はあれだったけど、元々の動機は、私と友達でいたかっただけだから。お父さんを蘇らせたその後ことは分からないけど……それまでは紬とちゃんと友達でいたいもの」


 どうやら紬とは普通に学校生活を続けるようだ。今後の関係は那由多と紬、二人で向き合って決めていくだろう。

 どんな世界でも、自分の気持ちや相手と向き合うことのできる芯の強さ。これが那由多さんの強さなんだろうな。

 改めて那由多という人間の強さを目の当たりにし、話を打ち切るようにジュースを口にする。


「改めてありがとう。私たちを助けてくれて」

「助けただなんて……むしろ僕の方が助けられてたし」

「もっと根本的な部分の話」


 そういって那由多は胸に手を当てた。

 その意味を口にするのは恥ずかしかったから、聖也は逃げるようにストローでジュースを飲む。


「……ねえ聖也君。口開けて」

「? あーん」


 言われるがまま口を開けると、那由多がイチゴパフェをすくって、聖也の口にスプーンを突っ込んだ。


「っ⁈」


 反射的に閉じた聖也の口から、那由多がゆっくりとスプーンを抜き取った。


 ……そのスプーンって、さっきまで那由多さんが使ってたやつでは?

 つまり、これは――


「これからもよろしくね、聖也君」


 那由多が太陽のように明るく笑って、イチゴパフェを食べるのを再開する。

 途端に顔が熱くなって、聖也は慌てて顔を伏せてしまう。

 そんな様子を見て、那由多がクスクス笑う。


 ……反則でしょ。それは。


 今すぐ顔の熱を引っ込めようと、ジュースを飲もうかと思ったが、なぜか飲む気になれなくて、聖也は口の中に残ったイチゴパフェを味わった。


 真っ赤なイチゴの酸味と、ホイップクリームの甘い後味が、暫くの間口の中に残り続けていた。


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