11話「祝福の時が訪れる」
色々あったが何とか乗り越えられて、私とクリステは無事結ばれた。
私たちは多くの祝福を受けながら夫婦となる。
「おめでとう~! シェリア~! ううっ、泣いてしまいそうだわ~」
「きっと幸せになれよ」
結婚式には両親も来てくれた。
「幼馴染みと結ばれる、なんて、憧れるわぁ~」
「これからも娘を陰で護ろう」
「お父さん、ここは素直に『おめでとう』でしょ~?」
「お、おう。おめでとうシェリア」
大規模な式ではなかったけれど、私たちは幸福のただなかにある。
「クリステ! シェリアさんに迷惑かけちゃ駄目よ!」
「彼女のこと、父さんみたいに大事にしろよ」
「あなた、それは駄目よ、ちょっとかっこ悪いわよ――というか、母さんが恥ずかしいのよ、照れちゃう」
ちなみに、この結婚式には彼の両親も来てくれた。
こうして結ばれた二人は。
未来へと歩き出す。
光ある道の先へと突き進んでゆく。
◆
「結婚式お疲れ様、クリステ」
「長かったな」
「ふふ、ま、そうね」
結婚式が終わった後、同じ部屋でだらける私たち。
少しかっこ悪い?
いや、いい。
かっこよさなんてどうでもいい。
今はただのんびりしたい!
人間誰しも思いきりだらけたい時というのはあるのだ。
「クリステのお父さんお母さんも来てくれて良かったわね」
「ああまあ……」
クリステは天井を見上げていた。
「あまり嬉しくない?」
「あの二人、ちょっと、痛いところがあるからさ」
彼へ視線を向けると。
「どういう?」
「お互いを好き過ぎ」
クリステは小さく溜め息をこぼしながら言った。
はにかむような彼の顔は嫌いではない。
「ああ、そういうこと。ふふ、いいじゃない、私たちもそんな風になれたらいいわね!」
「いやちょっとそれは恥ずかしいよ」
◆終わり◆