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File005.オーク退治

 「ねぇ、イリスはいつもゴブリンとかを退治したあとは、魔石とかを売ったりしてるの?」

 ゴブリンの魔石はゴミみたいな物でほとんど売れませんが、私達のお小遣いにはちょうどよいはずです。ただ私達では荷が重くなかなか倒せないのではありますが・・・


 「私は特に売りには行ってないです。売ってもほとんど値が付きませんし・・・」

 「そう・・・やっぱり内緒でゴブリン退治に来てたのね?」

 「えっ・・・お姉様、かまをかけるなんて酷いです・・・」

 「酷いもなにも、こそこそ抜け出してるのくらい知ってるわよ。」

 「うっ・・・お父様には内緒にして下さい・・・」

 「お父様も、お母様も知ってるわよ?」

 「あぅあぅ・・・」

 「怒られてないってことは黙認って事じゃないの?」

 「そうなのかな?そうだといいなぁ・・・」

 怒られるのがいやなら最初からしなければいいのです・・・


 「このオークですが、どうしますか。そこそこの値段がしますよね?」

 「お姉様は売った方がいいと思ってる?」

 「そうね、そのほうがお小遣いも入るしいいんじゃないかしら?」

 「それならやっぱり冒険者ギルドで売るのが1番だとおもうわ・・・」

 そうですよねぇ・・・でも、お父様には絶対に伝わりますよね・・・ゴブリンは黙認でも、オークまで黙認してくれるでしょうか?

 「お父様はオークを倒しても黙認してくるかしら?」

 「・・・・・・・・・・」

 「イリスが倒したことにして売りに行きましょう。」

 「ちょっと、お姉様・・・私に責任を押しつけるの?」

 「だって、ゴブリン退治に誘ったのはイリスよね?」

 「オークにトドメ刺したのはお姉様です。」

 「・・・・・・・・・・」

 「・・・・・・・・・・」

 「2人で倒したことにしましょう・・・怒られるときは2人でですよ。」

 「お姉様と2人でだったら・・・」

 本当にイリスは私が大好きなんですね・・・



 家に着いてからリアカーにオークを移します。さすがに冒険者ギルドでアイテムボックスからの出し入れはしませんよ。冒険者になってからならいざ知らず・・・まだ、成人前の私がそんな物持ってると知られるのはよくありません。

 オークを倒せるというのはまずくないのかって?お父様もお母様も結構有名な冒険者と言うことなので、その娘だからと言うことで押し通します。


 「あのぉ、オークを売りたいんですけどこちらでいいでしょうか?」

 冒険者ギルドの受付で話をしましょう。

 「買い取りならあっちのカウンターだよって、アインの所の嬢ちゃんかい?」

 「はい、父と母がお世話になっています。」

 「今日はイリスちゃんじゃなくてアリスちゃんかい?」

 今日は?やっぱりイリスは冒険者ギルドによく来てるんですね・・・

 「ええ、イリスは外でオークの番をしています。」

 「外でオークの番って、まさか1匹まるごと持ってきたのかい?」

 「はい、私達まだ解体とか出来ませんから。」

 「解体は出来なくても、オークは倒せるんだな・・・さすがアインのとこのお嬢ちゃん達だ・・・」

 やっぱりお父様の娘って事で押し通せそうです。強いお父様とお母様でよかったです。


 「あっ、パウロさん。」

 イリス、受付の人の名前を知っているくらいには何度も通っているのですね。

 「よぉ、イリスちゃん。今度はオークを倒したんだって?」

 「オークを倒したのは私じゃなくてお姉様です。」

 イリス、余計なことを言わなくていいです・・・ちょっと睨んでおきましょう。

 「えっと、2人で頑張りました・・・」

 パウロさんがクスクス笑っていますね、私が倒したって事がしっかり伝わってしまったようです・・・イリスも変な言い訳はしなくていいのですよ・・・


 「綺麗な切り口だなぁ。軽く火であぶったみたいだが肉も大丈夫だし、それなりの値段で買い取れるぞ。」

 イリスのファイヤーボールが、軽く火であぶった程度ですか・・・イリス凹まないで下さい・・・まだまだ成人前なのですからね。

 「それじゃあ、査定とかお願い出来ますか?あと、お肉は少し持ち帰りたいのですが・・・」

 「わかった。すぐ査定していい部位を切り分けてやるからちょと待ってろ。」


 イリスと2人でギルドの中にある酒場で待つことにします。未成年が酒場って言うのもなんですが、果実水を飲んで待ちますよ。お代はオークを売ったお金から差し引いて貰います。

 お父様とお母様の娘だからでしょうか、絡んでくるような人はいないようです。定番では「お前達のようなガキが・・・」なんて絡んでくるのですが・・・


 「2人とも、査定が終わったぞ。」

 おっきな肉の塊を持ってパウロさんがでてきました。結構大きな塊です。

 「ありがとうございます。」

 「代金は解体費とかを差し引いて金貨1枚だ。銀貨で渡した方がいいよな?」

 手には銀貨を10枚持ってますね。確かに金貨で貰っても買い物するときには不便です。いい人ですね。

 「えっと、果実水の代金は?」

 「アレは俺のおごりだ。アイン達にはいつも世話になってるからな。」

 「「ありがとうございます。」」

 「おっ、おう・・・」

 2人でハモってしまいました・・・パウロさんが驚いてます・・・私もこんなに綺麗にハモるとは思ってませんでした。さすが双子です・・・


 リヤカーにお肉を乗せて帰ります。もちろん帰りがけに野菜も買って帰りますよ。今日はお鍋です。

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次回への励みとなりますので、よろしくお願いします。


https://ncode.syosetu.com/n4941hk/

にて「ドールズ ~ドールマスターとなった少女は異世界で娘達と旅をする~」を連載中です。

こちらもよろしくお願いします。

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