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File021.くずスキル

 やっと町に着きましたか・・・だいぶ日も傾いてきてます。先に宿を探すべきでしょうか・・・

 「アリスちゃん達はこの町は初めてよね?」

 「あ、はい。初めてです。」

 「それなら、宿屋は小熊亭にするといいわよ。値段の割にご飯も美味しいから。」

 「「ありがとうございます。」」

 あっ・・・またハモりました・・・でも宿屋を教えて貰えたのはありがたいですね。エマさんに感謝です。

 「お姉様、ギルドは明日にして先に宿を決めましょう。泊まるとこが無くなっちゃうと困ります・・・」

 「そうね、先に宿を取りましょうか。」

 イリスの言うとおりです、せっかく良い宿を教えて貰ったのです。先に宿を取りましょう。


 ここが小熊亭ですか・・・良さそうな宿屋ですね。

 「すみません、宿泊をお願いしたいのですけど。」

 「おやおや可愛らしい娘達だね。2人部屋でいいかい?」

 「「はい!」」

 「可愛い返事だこと。これが鍵だよ、2階の奥から2つ目の部屋だよ。すぐに夕飯だからすぐおりといで。」

 「夕飯は別料金ですか?」

 「うちは朝食と夕食は料金に含まれてるよ。食べないのは自由だがね。ほらほら、荷物を置いておいで。」

 「はい。」

 料金に朝食と夕食が含まれているのですね、良い宿を教えて貰えましたね。

 「お姉様、夕飯楽しみですね。」

 「そうね、早く荷物を置いてきましょう。」



 生姜焼き定食ですね・・・お肉はイノシシですか・・・うん、美味しいですよ・・・

 「お姉様、すごく美味しいですね。ご飯おかわりしちゃいました・・・」

 「そうね、私もついついおかわりしました・・・」

 「アリスちゃん、イリスちゃん。さっきぶり。」

 「「エマさん。」」

 エマさん達もこの宿だったのですね。教えてくれるんですから、当たり前ですか・・・

 「どう、ここのおばさんのご飯は美味しいでしょ。」

 「はい、すごく美味しかったです。」

 「ここに泊まり始めてから少し太っちゃって・・・」

 えっ・・・キティさん、それ本当ですか・・・

 「キティさん・・・それホントですか・・・」

 イリスがびくびくしてますね・・・太ったとか、私達の年頃でもすごく気にしますよ・・・

 「キティったらイリスちゃんが驚いてるじゃない、その分動けば大丈夫よ。」

 やっぱり太るのですね・・・私もしっかり運動しましょう・・・

 「イリス、明日は狩りに行きましょう・・・」

 「はい、お姉様・・・たくさん走り回ります・・・」

 イリスの本気度がうかがえます・・・



 その後はエマさん達とワイワイ騒ぎました。皆さんお酒でしたが、私達はまだジュースです。来年からはお酒も飲めますね・・・とは言ってもこの世界では飲んでもいいのですけどね・・・


 この辺りで受けられるクエストなんかも教えて貰えました。エマさん達もこの町を拠点にしているようで、先輩冒険者として色々教えてくれました。

 「皆さん、ありがとうございます。」

 「ありがとうございます。」

 お礼はしっかり言わないといけません・・・

 「いいのよ、ちゃんと報酬は貰うから。」

 「えっ・・・」

 思いきり抱きしめられて、頭を撫でられました・・・イリスはキティさんにされているみたいです・・・これがエマさんの言う報酬ですか・・・なんか違う気もしますが、これがお礼になるのなら甘んじて受けましょう・・・別に嫌ではありませんし・・・


 「ふぅ、堪能したわ・・・」

 エマさんが何か言ってますが、もう1度お礼を言って部屋に戻りましょう。これからもああいうことがあるのでしょうか・・・

 それともこの町ではああいうお礼が普通なのでしょうか・・・それはないですね・・・



 「お姉様・・・さっきのが報酬なのですか?」

 「イリス・・・忘れなさい・・・」

 アレは普通じゃないです・・・多分・・・きっと・・・

 「は、はい・・・」



 部屋に戻りましたし、イリス以外誰もいませんからこの間の続きをしましょう。

 

 「イリス、ちょっとスキルを使って作業をするから。」

 「スキルって、お姉様何をするんですか?」

 「そうね、創造系のスキルがあるから、武器をつくろうかと思って。」

 「クリエイトのスキルですか?」

 おや、イリスは知っているのでしょうか。

 「クリエイトのスキルを知っているの?」

 「はい、魔力ばかり使って、何も作れないくずスキルですよね・・・」

 そういう認識ですか・・・私の場合しっかり作れてますね・・・魔力はかなり持って行かれますが・・・違いは何でしょうか・・・

 「ちゃんと作れてるわよ?」

 作りかけの銃を見せてあげましょう。まだ、バレルとトリガー周りが少ししか出来てませんが・・・

 「お姉様、これは大砲のミニチュアですか?」

 大砲はあるのですね・・・ミニチュアですか・・・なるほど、確かに大砲を小っちゃくした感じに見えなくもないですね・・・

 「大砲ではないのだけれど・・・出来上がってからよく見せてあげる。」

 「うん。」



 その後は、魔力がつきるまでクリエイトをしていました・・・本当に魔力が必要なのですね・・・何もできないくずスキルというのはこの事なのですね・・・


 魔力が尽きて寝てしまったようです・・・ちゃんと布団が掛けてあります。イリスがしてくれたのでしょうか・・・

 「お姉様おはようございます。」

 やけに近くで声がしますね・・・私に抱きつくようにして寝てたのですか・・・もう一つベッドがあるでしょうに・・・

 「もう一つベッドがあるのにどうして・・・」

 「お姉様が寝てるのが私のベッドですよ?」

 この子屁理屈を言いますね・・・私があなたのベッドに潜り込むはずないじゃないですか・・・

 「・・・まぁ、いいわ。朝食を頂いて、ギルドに行きましょう。」


 まだ作りかけの銃はしまっておきましょう。あと1日といった感じですね・・・頑張りましょう。

少しでも面白いと思った方は評価をお願いいたします。

ブックマークもして頂けると嬉しいです。

次回への励みとなりますので、よろしくお願いします。


https://ncode.syosetu.com/n4941hk/

にて「ドールズ ~ドールマスターとなった少女は異世界で娘達と旅をする~」を連載中です。

こちらもよろしくお願いします。

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