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俺と朝木は一旦、職員用の部屋を調べたる事にした。
本当なら直ぐに移動したかったが、出来たら職員用の地図が欲しかった。
それは直ぐに見つける事が出来た。
地図の一角に立ち入り禁止の言葉を見付けた。
ドリームキャッスルの地図を調べたがそこ以外は全て繋がっていて、出口にはなっていなかった。
俺達は覚悟を決めて立ち入り禁止の扉の前まで辿り着いたのだ。
その扉は通路から外れた一本道の先にあり、その通路に入る前にも確りとした扉が取り付けられていた。
鍵を一本一本を確かめていく、二つの扉を開けると噎せかえるような酷い悪臭とカビ臭ささ、そして水が腐ったような酷いガスが一気に扉の外に流れ出してきた。
「げほっげほっ、酷いなマジに行くしかないのか」
俺は余りの悪臭に眼を瞑ってしまった。
朝木は口を手で覆いながら先に進んでいく。
俺も中に入ると其処は思った以上に狭い造りになっていた。
通路は一人がやっと通れるくらいの幅しかなかった。
そこを抜けると広い空間が広がっていた。
「多分、此処がドリームキャッスルの真下だな。早く出口を捜そう」
俺達はその広い空間に無数に繋がる通路を1つ1つ調べていった。
調べた通路には、朝木の持っていた口紅で印をつけ、確実に出口を探していったのだ。
そして四つ目の通路の奥に更に扉が在るのを発見したのだ。
俺達は急ぎ扉の鍵を合わせていくがどれも合わなかったのだ。
「クソ……此処まできて行き止まりかよ」
俺は扉を思いっきり蹴ったのだ。
扉が微かに動いた気がした。
「もしかして!朝木、悪い少し扉の角を見ててくれないか?」
「え?こんなときに何をいってるんですか!」
「いいから!見ててくれ」
再度、思いっきり蹴りを入れた。
「先輩!先輩!確かに動いた」
朝木の言葉に俺の考えは確信にかわった。
この空間は至る所が腐蝕してボロボロだったことを考えると、もしかしたらと思ってはいたが間違いなく扉が腐蝕している。
そして扉の止め具が外れたのだ!
扉が倒れ目の前に新たな通路が広がっていた。
「やったぞ!いこう」
俺達は急ぎ通路を進んだ。通路進み曲がり角に指し当たると光が見えたのだ、しかし、それは日の光では無く松明が燃やされている炎の灯りだった。
「誰か……いるんだ!この裏野ドリームランドに」
俺達は警戒しながら通路を進んでいくと、何か呻き声のようなモノが聞こえてきたのだ。
「ヴぅぅぅぅぅぅ!」
その声は次第に大きくなっていく。
そして扉の開いている部屋が眼に止まった。
『はぁはぁ、ヴぅぅぅぅぅ!ううぅ!』
呻き声が一旦止まり、“バタン”と奥で扉が閉まる音がした。
恐る恐る俺達は部屋の中を覗き込んだ。
その中に鈴村 茜の姿があったのだ。
鈴村は口にタオルを噛まされ、それを確りとした紐で固定されていた。
手は椅子に鎖で固定され、足には白い布が掛けられていた、明らかに不自然な足の長さ、そして、床まで流れ出たおびただしい血液が床一面に広がっていた。
そして他に誰も居ないのを確認すると俺達は鈴村先輩の元に駆け寄った。
「先輩!今助けるから」
急ぎ口からタオルを外すと鈴村は高橋達にこう言ったのだ。
「早く、逃げて……」
俺は急いで鈴村先輩の鎖を外そうとしたが朝木に肩を叩かれた。
「もう……死んでるよ……」
鈴村は最後に“逃げて”そう言うと絶命していた。
「クソ、鈴村先輩ごめん……」
「先輩……早く行きましょう……誰か来たら不味いです」
朝木の言う通りだった。
俺達は部屋を出ようとした瞬間、奥の扉が開いた。その扉から刃物の先端が見えた。
そして黒い覆面のようなモノを被った男が奥の扉から部屋の中に入ってきたのだ。
俺達はとっさに部屋の隅に身を隠しじっとしながら、男の此方に来ないように願った。
「カエサナイ……カエサナイ……」
そう言うと男は鈴村先輩の体を鉈で切り刻み始めたのだ。
俺はその光景に我慢の限界だった。
そして、男の頭目掛けて目の前にあった椅子を思いっきり、ぶん投げた。
男はいきなり後頭部に椅子が当たり、動揺したのか、慌てて奥の部屋に走っていた。
「はぁはぁ……やった」
俺は無我夢中だった。
普通なら鉈を持った男にいきなり椅子を投げるなんてあり得ない。
「……ミンナ……」
だが、男が頭を押さえながら直ぐに戻ってきたのだ。
「……カエサナイ……ミンナ……」
男は鉈を振り回し暴れだしたのだ。
俺は直ぐにさっき投げた椅子を両手で持つと鉈を防ぎながら部屋の外に移動していったのだ。
そして男の切りつけた鉈が木の扉にめり込んだのだ 瞬間に高橋はポケットから虫除けスプレーとオイルライターを取り出したのだ!
「普段なら絶対に考えてもヤらないんだけど!帰れないのは、お前だよ!」
男に向けてスプレーを噴射しオイルライターで火をつけたのだ!
男の覆面に引火した火はやがて男の全身に燃え広がり男は火ダルマになり動かなくなったのだ。
俺は無我夢中で、いまだ興奮状態だった。
息をする度に凄まじい吐き気に襲われる、そして我にかえる……そこには、火ダルマに、なり転がりながら死んだ男の姿と、両足を切断され無惨な姿のまま息絶えた、鈴村 茜だったものが繋がれていた。
「先輩……やりましたね!倒しましたよ」
朝木はそれを喜んでいたが、俺は違った。
「俺は人を殺したのか……殺しちまったのか……」
そう言う俺に朝木が悲鳴をあげた。
「先輩みて、男の顔……」
朝木に言われ男の顔を見ると口以外は糸で縫い付けられいた。
何より男の首元には斬られたような跡が残されていた。
「先輩……これって?」
どう見ても人間じゃない……少なくとも生きた人間ではなかったのだ。
俺は急ぎ朝木を連れて通路を進んだ。
「先輩……もし外に出れたら私のワガママ1つ聞いてくれますか?」
「なんだよ、こんな時に、ああ何でも聞いてやるよ!だから走るぞ」
そして通路の先に光が見えたのだ!
太陽の光がこれ程、恋しいと思ったのは生まれて初めてだった。
「やったぞ!朝木出られたんだ。帰れるんだ!俺達」
俺はまるで子供のように、はしゃいだ。
そして俺は朝木に対して微笑んだ。
「よかったですね。先輩……さっき話ですが」
朝木はそう言うと俺が今まで見たことないくらいのとびっきりの笑顔を此方に向けた。
だが、次の瞬間
「カエサナイ……」
え?………………
「朝木……なんで……」
いきなり胸に激痛が走り全身に凍り付くような痛みとその後を追うように熱しられた火の玉が体内を駆け巡るような感覚に一瞬で襲われた。
俺は必死に自分の胸元に目を向けた、俺の胸には朝木の手に握られたナイフが刺さっていた。
「な、何でだよ、あと少しで帰れるんだょ……死にたくない……家族が待ってるんだよ……」
俺は朝木の手に握られたナイフの刃を無理矢理抜くと地面に倒れ込んだ。
「先輩……ずっと……楽しみましょう……もう……ダレモ……カオレナイ………」
薄れ逝く意識の中に見える光景は自分の血液に流れる涙と其れを照す太陽の光だった。
「俺は帰るんだ……俺は帰え……」
俺を見て笑う朝木の顔はこの世のモノとは思えない程美しかった。
「レナイ……ダレモ……ネ……」
吉田 太一
……ジェットコースター……END
村谷 かずき
……アクアツアー……END
安堂 なぎさ
……ミラーハウス……END
鈴村 茜
……ドリームキャッスル……END
大野 純平
……メリーゴーランド……END
桜井 美雪
……観覧車……END
高橋 大地
……朝木 未久……END
「寂しい……また……誰かに手紙を書かなくちゃ……ねぇ?先輩……明日もあついのかな……」
…………END…………
やっと終わりました。(*≧∀≦*)