死刑
えっとこれは不定期ですがよろしくおねがいしまぁす。
部屋が二つ。
今夜どちらかの部屋で寝なければならない。
私の他に7人ほど知らない人達がいた。
皆どっちの部屋で寝るか迷っていた。
二つの部屋というのは向かい合わせになった和室でどちらの部屋も同じ形をしていて同じものがあった。
誰が言ったとかではなく自然とどちらかの部屋で寝なければならなかったのだ。
誰が言ったとかではないがどちらかの部屋に今夜、執行人が現れ、現れた部屋の人達を皆殺しにすると言うのだった。
だから皆必死にどちらの部屋で寝るか考えていた。
私も考えていた。何が起こるかはよくわからなかったが皆が考えるように私も考えていた。
会話はなかった。皆ただ二つの部屋の前で立ち尽くしていた。
気が付くとさっきまで明るかった、真っ白だった周りが真っ暗になっていた。
夜が来る。
私は左の部屋へ入った。
部屋には私の他に男性1人女性が1人いた。
黙って電気を消し、布団に入って息をひそめる。
なんとなくというより訳もわからぬ金縛りのような緊張感が私達を襲う。
文字通り手に汗を、いや体中冷や汗をかいていた。
決して寝ることが出来ぬ不安が左の部屋の中で充満していた。
布団から顔を出し左を見ると女性が震えながら涙を流していた。
右を見ると男性が布団にくるまって震えていた。
……………………ギシッ……………
来た。
執行人だ。どちらの部屋に入るか考えていた。
部屋に執行人の影が映るように見えて私は心臓の音が執行人に聞こえるのではないかという気持ちとはま逆に脈をうちはじめた。
殺される。部屋の前に執行人が立っていた。
私は目を見開き鳥肌が立っていた。
すると執行人はゆっくり左に向けて歩き出した。
私達の部屋の前から右の部屋へ歩き出したのだ。
私はあのおぞましい影が頭から離れない。
恐怖や様々な気持ちが荒々と私の心にまとわりつく。
しばらくしてとても静かで緩やかな沈黙が続いた。
すると隣の部屋からグチャッ。ザクッザクッ。ビチャッ。と訳もわからぬ音が聞こえた。
悲鳴は聞こえなかったが、何があったかは考えたくない。
映画見に行きたいでござるぅ。