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私は考える

 熱い決意をよそに、特になんの進展もないまま、さらに1年が過ぎた。


 アルェェェェ!?

 ナンデェ!?


 確実イベント発生フラグだったじゃん!?神か天使が来たりとかするフラグだったじゃん!


 この世界に生まれて8年、一番フラグっぽかったのはあの天使降臨並びに婚約者ミッションだけである。だがしかし、婚約者はまだいない。あの流れならさ、あの後すぐ婚約者登場したりする感じだったのに。5年経っても音沙汰無いとか。マジウケる。


 私の予想では、ここはギャルゲーか乙女ゲーの世界なんだと思う。好感度って単語からから推測すると。さすがに陵辱系エロゲではないと信じたい。好感度あったし。純愛系エロゲだったら、覚悟を決めよう。私ノーマルだけど。あ、でも意表をついてBLゲーだったらどうしよう。3次元ホモは苦手なんだけどな…。

 

 悩んでも仕方ないからギャルゲーないし乙女ゲーの前提で考えるけど。

 私のポジションが主人公なのか、攻略キャラなのかはさしたる問題ではない。どっちにしろ女の子とくっつくのはほぼ確定だろう。そして、婚約者がヒロインじゃないのも。

 

 おそらく最終ミッションは、ヒロインとのハッピーエンドを迎えること。


 これ以上は、判断材料が少なすぎてわからない。

 

 男の体に違和感がないのは、まだ第二次性徴期がきてなくて性差が少ないからではないか、と考えた。

 前世に対して妙にドライなのは、書類的に大往生のせいだろう。あの死んだ時の安心感ったらなかったもん。


 そういえば、母親がどうにも転生者くさい。


 二十年前に母が提案した四輪農法は、今や国中で行われている。生産量と家畜が増えたことで、人口も徐々に増えているそうだ。

 製紙や活版印刷も軌道に乗り始め、国の主産業の一つになりつつある。

 オセロやトランプなどのボードゲームも母が作って広めた物だ。

 十年前からは海の向こうの島国と貿易を始めた。米、味噌、醤油っぽいモノを輸入して、パーティーなどで日本食っぽいモノを振舞っている。王妃の推薦だけあり、貴族受けも良いようだ。

 異世界転生のお約束、内政Tsueeeeですね、わかります。羨ましい!

 

 これだけの条件が揃っててさ、母が転生者じゃないとかありえないじゃないですかー。


 あの天使降臨事件のあと、母親にいろいろ聞かれたんだけど…。まだ言葉がよく分からなかった私に死角はなかった!!

 なんとなく、私の転生者バレはアウト気がする。特に彼女には。


 来月、兄の誕生日がくる。

 あの大聖堂――正確には、三人の神の館というあそこで立太子の儀式を行う。その後はお城で婚約パーティー。婚約者は島国の第一皇女様。


 今度こそ、ちゃんとシナリオ進むといーんだけど。


 

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