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天使降臨

 天使が降臨し給うた!


 と思ったら兄でした。ヤヴァイ。イケショタの本気舐めてた。なにこれお兄ちゃんマジ天使なんだけど。

 大聖堂と美形のコンボ、効くわー。


 兄に手を引かれながらバージンロードっぽいとこを歩く間、私はひたすら兄の天使っぷりを脳内メモリーに焼き付ける仕事に従事していた。ちなみに乳母は、最後尾列に一人で座っている。


 結婚式ではないので盛大な拍手で出迎えられることもなく。参列者の皆さんは火を灯した燭台に手を合わせながら、静かにこちらを注視している。圧迫面接の如く。

 

 正直に言うとめちゃくちゃ怖い。ホラー映画の一場面みたいだし。これ、普通の3歳児だったら泣くんじゃね?

 私が逃げ出さないのは、偏に兄の天使オーラが恐怖心を浄化してくれてるからだし。


 なんて事を考えてたら、神父さん――いや、司祭か司教か?私の身分を考慮すれば。

 とにかく偉そうな人の前に着いた。

 兄は最前列の両親の所へ。ここからは私一人で頑張らねば!チートのために!この1週間、ひたすら練習しまくった成果が火を吹くぜ!

 いざ、チートのために!


 そっと司教だか司祭だがの前に跪く。


 「新しきシビル・ミニマムの子よ、あなたは祝福されるべき人である。

  愛を成し、悲しみを掬い、国と民に尽くすべき人である。

  善を尊び、悪を赦さず、正しき行いを貫くべき人である。

  清貧を旨とし、我欲を捨て、天に財を積むべき人である。

  新しきシビル・ミニマムの子よ。

  あなたは神に感謝し、忠誠を捧げ、その信仰の限り、全て御心の侭に歩む事を誓いますか?」

 「プレローマ・アンペイド・ヴェルネラビリティーは誓います。

  新しきシビル・ミニマムの子として。」

 「神の代行者として誓いを受け取りましょう。

  そして宣言を。

  プレローマ・アンペイド・ヴェルネラビリティーは神の祝福の下、新しきシビル・ミニマムの子として産まれました。」


 これで祝福の儀は終わりだ。あとは両親と兄と一緒に帰るだけ。…だが、そうは問屋が卸さない!

 儀式の最中から後ろがザワザワしてるのは気付いてたからね!そして頭上から降り注ぐ眩しい光!奇跡ですね、わかります。


 高い天井、そのステンドグラスの辺りに不自然に光が集まっている。見つめていると、それはだんだん翼の形になり――


 「うぎゃー!!!」


 「化け物め!」と叫びながら私を抱き寄せる兄に泣きつく。今頼れるのはお兄ちゃんだけだ。他の大人は皆、奇跡だとか神の御業だとか言ってて頼りになんない。


 あんな燃える翼の集合体要らない!衛兵、早よ!どー見ても不審未確認飛行生物だから退治して!

 

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