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時は流れて

 はい、どーもこんちゃー!

 プレローマ・アンペイド・ヴェルネラビリティー3歳でっす!

 今日はいよいよ祝福の儀とやらで!

 ついに私にもチートがくるかもなんですねー!やったね!

 

 いやー、長かった。この3年間長かった。ジェイン君可愛かったけど長かった。とても大事なことだからもっかい言うけど長かった。

 外出できてもほんの1時間くらい、あとはお部屋で過ごすとか軽い軟禁じゃないですかー。

 会えるのも乳母、ジェイン君、兄と両親のみだし。


 まあね、抵抗力の弱い子供をね、大勢の人に触らしたりだとかしちゃいけないのは分かるよ。この世界文明度明らか低いし。たぶん医学も発展してないんだろうね。

 でもさ。理解と納得はしても、それで私の退屈がまぎれるわけもなく。ジェイン君という見本がいるので、子供を大きく逸脱した行動ができるわけもなく。私は今日までチートとはほど遠い生活をしていた。

 

 けれど!

 今日!

 ついに!

 チートフラグキター!!

 

 祝福の儀とは、無事に3歳まで育ったことを神に感謝し、洗礼を受ける事で正式に王族として列せられるための儀式らしい。

 

 そう、王族。

 つい先月発覚したんだけど、どうも私は王子様らしい。ついでにその時フルネームも判明した。覚えるのに、もといちゃんと発音できるようになるのに4日かかった。言いにくによ、ヴェルネラビリティー。

 ちなみにジェイン君のフルネームは未だ不明である。だってみんな乳母とジェインとしか呼ばないんだもの。


 そんな訳で私は今、生まれて初めての馬車に乗っています。乳母と二人で。御者も入れれば三人だけど。

 私はまだ正式な王族ではないので、家族と一緒には乗れないらしい。帰りは一緒だと乳母は言っていたが。両親と兄は一足先に教会でスタンバってるそうだ。ご苦労様です。


 テンションが振り切れて少しばかり失態を晒したせいで、乳母にがっちりホールドされながら初めての長距離(比較的)移動!

 離宮を出て本城を周って。余談だが、本城を初めて見たのは半月前。乳母とジェイン君と兄と見に行って絶叫して走り回った。お兄ちゃんがドヤ顔でなんか解説してくれたけど、勿論さっぱり覚えていません。

 門をくぐって市街地へ。夢の国のエレクトリカルなあれにも劣らぬ華やかなパレード。

 

 にこやかな笑顔を浮かべてゆっくり手を振るなんて無理だった!全力で手を振り回し、心の赴くままにギャーギャー叫ぶ!ごめんね、乳母!だから今日ジェイン君いないんだね!


 やがて前方に教会が見えてきた。…のだが、あれ?ちょっと待って。あそこなん?マジで?

 でっかい教会だろうとは思ってたけど…。コレハヨソウガイデース。


 数えきれない程の尖塔。その真ん中、一際高い塔の先には黄金のマリア像――ではなく金の卵。

 ミラノ大聖堂のような、最早これ城だろ!とツッコミたくなるあそこで儀式をするらしい。


 私のテンション大丈夫かなー。

 

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