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生まれてみた

 そんな訳で転生しました。いえーい。

 つうか、マジでなんの説明も無いんだけど。かれこれ生まれて1年?なんだけど。音信不通とかウケる。アフターサービス無いのか。

 

 (書類上は)大往生のおかげか、生まれ変わっても全く前世への未練がない。ちょっと不信感を持つ程に。家族仲が悪かったわけでもなく、学校でイジメられてたわけでもないのに。

 

 今時珍しい三姉妹の真ん中。長女は新卒社会人。私はいわゆる高二病。妹は生意気盛りの小6。学校では文芸部に入っていて、もっぱら二次嫁(男)の話題で盛り上がっていた。良い腹チラがスクショ出来たとか言い合える、素敵なオタク仲間達だった。男子もいたけど、普通に仲良かったと思う。時々腐の会話になっちゃったりしたことはゴメンね。

 両親は共働きだったから、三人で分担して家事を手伝っていた。姉が料理担当、妹が片付け担当。私はメシマズの自覚があるから、台所仕事は二人に任せっきりだった。その代わり、洗濯と掃除を頑張った。

 ってゆーか、覚えてる限り最後の記憶が、風呂上りにパックしながら装備がパンツとキャミのみでヨガしてたとこで終わってんだけど!?ちなみにテレビはあの大人になった六つ子つけてました!この状況で死んだりしてたら、正直、家族に申し訳がなさ過ぎる…。

 

 閑話休題。

 

 現状としては、そろそろ1歳の私。性別、男。ふざけんな。貴族かなんかの次男っぽい。庶民でいーから女の子に生まれたかったよ…。この件に関しては追々考えるとして、だ。最重要事項――この世界には、魔法がある!!まではなんとか把握した。

 生まれたのがたぶん夏で、最近暑い日が続くから、そろそろ1歳ってのは間違いないと思う。

 

 そういえばよく転生モノで乳幼児ほっぽいてる描写があるけどさ。

 あのね、乳幼児ってね、目を離しちゃいけない生き物なの。

 二時間ごとにお乳あげなきゃいけないのは勿論のこと、体温調節も周りが気を使ってあげなきゃだし、寝返りが上手にうてなくて窒息しかけたりとか、何でも口に入れるからそれでまた窒息しかけたりとか、まぁ挙げてくとキリないんだけどさ。

 とにかく、大人が気を付けてあげないと簡単に死ぬ生き物だからね!

 

 …なにが言いたいのかと言うとだね。

 ずーっと乳母がいるから魔法の練習なんて出来るわけがなかった!残念!

 

 はい、赤ちゃんのうちから魔法鍛えての魔法チートルートが潰えましたー。いえーい。

 ちなみに言語チートも無かったから全く言葉分かんなかったよ!神は死んだ!生きてたら殺す!

 

 思い出し苛々してたら、乳兄弟のジェイン君がナデナデしてくれた。

 

 そう、乳兄弟。居るんですよー。乳母が居るから当然っちゃー当然なんだけど。

 えへへへへへ〜。

 あー、ジェイン君可愛いなー、天使だなー。

 私より数ヶ月年上のジェイン君。

 部屋中よちよち歩き回って、転けて泣いたり、積み木で遊んだり。

 癒やしだわ。

 私もそろそろ歩ける気配がするので、もうちょっとしたら追いかけっことか出来るかなぁ。楽しみだなぁ。

 

 実の兄とはあんまり遊べてないんだよね。

 たぶん、嫡男だから勉強とかしてるんだと思う。跡取りは大変ですね。次男で良かった。

 

 年は…7歳くらい?外人の年齢って分かりづらい。

 金髪に青い眼の正しく王子様!なイケショタなお兄ちゃんは、おやつの時間に毎日やって来る。

 私達はなんかよく分かんない柔らかいお菓子、兄は普通にクッキーとかを食べながら、たくさんお話ししてくれる。時には絵本を読んでくれたり、木剣でドヤ顔しながら剣術の型をしてくれたり、灯りの魔法をこれまたドヤ顔で披露してくれたりと、なかなか愉快なお人である。

 

 両親は夕方頃に来る事が多い。

 ちょろちょろっと私に話しかけ、乳母の話を聞いて去って行く。割と頻繁にオモチャやぬいぐるみを置いて。

 父親は兄をそのまま大人にしたみたいな人で、輝かんばかりのイケメンである。しかも細マッチョ。天は二物も三物も与え給うた!私にチートくれなかったくせに。

 母は、控え目に言って魔女っぽい。

 美魔女ではなく魔女。或いはエリザベート・バートリーとか、ルクレツィア・ボルジアとか、魔性の女系。

 燃えるような赤毛に、意志の強そうな金の瞳。蠱惑的な唇、2児の親とは思えぬ魅惑的な肢体。

 はっきり言って、ちょっと怖い。慣れるまで何回か泣いたし。

 

 両親には愛されていると思うが、どうにも家族としての実感が涌かない。私がもう少し大きくなって、もっと一緒にいる時間が増えればまた変わるのだろうか。それとも貴族の親子関係とは、こういうモノなのだろうか。いつか兄に聞いてみようか。他愛ない、兄弟の会話として。

 

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