今後の予定
さて。これから私はどうするべきだ?
下手にラポール嬢に近づくと暗殺フラグだしなぁ。
ここはやっぱグループ交際か。
メンバーはぁ、ジェイン君は巻き込むの決定だとしても、兄を誘うわけにはいかないしー。……あー、私、友達いなかったね。うん。
プレローマ的好感度で言えば園芸部の部長が最有力候補なんだけど、流石にちょっと申し訳なさすぎるし。私の側近候補な情報部の人達に協力してもらうかなー。
幸いラポール嬢は料理研究部に入っている。研究部とか言いながら、実質プロ料理人育成機関なあそこに私専属の料理人を探してる、って体でまずは情報部の誰かを送り込んで。彼女の腕なら宮廷料理人も勤まるって書いてあったし、候補の中に入れても不自然ではないだろう。
で、情報部の犠牲者には申し訳ないんだけど、ラポール嬢に惚れて頂いて。勿論演技で。あるいは利害関係で。
いや、ホラ、私の食事を作る人ってすっごい信用が大事じゃん?それが側近の奥さん、なら安心できる訳で。
こう考えると、あながち有り得なくもないカップリングなんだよね。
側近の婚約者候補なら私が近寄っても「人物を見極めている」とかで言い訳は立つし。サシで会ったりしなきゃ平気でしょ。たぶん。グループ交際、これ大事。
でも一応リファーちゃんにはフォローの手紙書いとこう。細やかな気遣いが出来る私、ステキ!
後は情報部への言い訳なんだけど。こっちは簡単かな。「ラポール嬢が信用出来ないから見張りたい」とか言っときゃいーでしょ。あの経歴だもん。彼女自身は全く悪くないんだけどね。
ラポール男爵は確実玉の輿狙いで娘を入学させたんだろうし。私が危機感持つのは当然でしょう。
なんなら昨日の靴箱ぶっ倒れ事件も私に近づくための策略だったんじゃないか的なことを言えば完璧。むしろ私が彼女に興味や関心を持つのは必然とも言える流れだろう。
ジェイン君には昨日のことは話してあるし、あのノートを見せれば勝手にいろいろ察してくれちゃうだろうし。乳兄弟が有能だと楽だわー。ちょー愛してる。
気は進まないけど兄バカ炸裂なお兄ちゃんにも話しとかないとだなー。あの人どーにも過保護なんだよね。
中の人的にはこっちのが人生経験豊富なんだけどさ。王太子だけあってかカリスマパネェし。勝てる気しねぇ。
一先ずの方針は決まったし、情報部宛に手紙書いて呼び出すとしましょうか。とりあえず部長のエスニシティ君でいっか。
貴族語の長ったらしい言い回しで部活の時間にこの部屋まで来るように書いてきちんと封蝋をし、シグネットリングを捺す。
シグネットリングとは、よく映画とかでやってる指輪の印鑑のアレの事だ。普通の判子型でも全然良いんだけど、こっちのがカッコイイから私はシグネットリングを愛用している。私の中の中学二年生はまだまだ現役です。
ジェイン君用のは部活の時に部屋に戻って来てね、の一文で済ます。
流石に部屋で会って間もない人物と二人っきりとか立場が許さないからさ。従者兼護衛として居てもらわなきゃならなんだよね。お手数おかけしてますです。
二通の手紙をドアの外で待機してた部屋付きの使用人に渡し、やる事がなくなったからベッドに転がる。
今更授業受ける気しないし。このままお昼寝しちゃおっかな。私の特技の一つがオヤスミ3秒だからこの時間でも普通に寝れるし。むしろ1日20時間とか寝てたいくらいだし。
アルラウネたんをベッド脇から南側の窓辺に移動させる。アルラウネたん用のコップに水を汲んでっと。
さぁてこれでホントにやる事は無くなった。心置きなくお昼寝できますね。
春眠暁を覚えずって昔の偉い人も言ってたしね。
んじゃ、オヤスミ。




