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ヒロインは倒れてる

 朝食を食べ終え、私は一人で昇降口へ向かう。辺りには誰もいない。まあ、王族が二人もいるんだ。大抵の生徒は始業30分前登校が常識らしい。ご苦労様です。

 

 前世からの因果で運動できない系のオタクである私は必然的に文官コースを、チート主疑惑がある運動できる系のオタク(私の教育の賜物)なジェイン君は士官コースを選んだため、校内では専ら孤高の一匹狼キャラ(not負け犬)になりつつある私。見た目も相まって非常によろしくない。早急なイメチェンが望まれる。学校デビュー失敗とか笑えないよぉ。

 五人家族だったせいかパーソナルスペースは狭いほうだと思うし、13年も王子やってっから親しくない人間が側にいるのにも慣れてるし、人見知りではあるけどコミュ障違うし。なんで友達できないんだろう。つらたん。

 

 跡継ぎ共は兄にゴマをするのに必死で、女の子たちは婚活でお忙しいので友達候補から外す。平民は「近付いたら無礼討ちにされる!」と言わんばかりにビビってらっしゃるから友達どころじゃない。まずは笑顔で挨拶から始めたい心意気。

 現状、一番長く会話したのが園芸部の部長とかウケる。他の部員は触らぬ神に祟り無し状態でひたすら頭下げてました。辛い。

 顔か!この悪役顔が悪いのか!!

 本当の私はとってもフレンドリーだっつーのに。前世でもそれなりに友達いたし。変人多かったけどさ。二次嫁(男)の誕生日にホールケーキ買ってバースデーパーティ開いたりしたけど、これって普通ですよね?

 そいやあ萌豚(あだ名。本名は忘れた)元気かなぁ。機敏なデブで一人称が豚君、笑い方がブヒヒヒヒッと一味違う厨ニ病を患ってたっけ。バレンタインにチョコあげたら土下座されたなぁ。付き合っても良い程度の好意は持ってたよ、確か。


 さて。

 いい加減現実逃避はやめにしよう。


 靴箱の前でヒロイン(仮)が倒れてる。どんなイベントだよ。何ルートなん。

 

 腰ほどもある長い銀髪。目は閉じているので瞳の色は分からない。

 そして……小太…いや、ふくよか…でもなく、えっと……肉付きがいい!そう、肉付きがいいグラマスな女性がうつ伏せで倒れてる。幸いなんの奇跡かスカートはめくれておらず、彼女の名誉は守られた。


 ところで。気を失った人間というのは大変重たいそうだ。

 彼女と私の体格差を考えると、おんぶでも運べないんじゃないか?体重同じくらいっぽいし。つーかまずどうやって背負えばいいのか謎だわ。


 そろそろ始業時間なので、これから誰かが来る可能性は低い。


 よし、保健室行って先生呼んでこよう。


 軍事訓練じみた授業があるから、保健の先生って男なんだよね。ガチムチの。ほら、血の気多いガキの相手を可愛いシスターなんかにさせれないじゃん?それに怪我人を運んだりしなきゃいけないし、意外と体力仕事なんだって。

 保健室には担架もあるだろうし、手伝ってもらったほうが安全だよね、うん。


 ヒロイン(仮)の下半身にそっとブレザーをかける。やっぱパンツ見えちゃうのは可哀想だしね、気遣いのできるプレローマ君なんですよ。

 なんかフラグへし折った気がしないでもないけど、とりま保健室行きますか。

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