暗躍
1937年。-満州帝国-
ここは1932年に中国から独立した国である。
1928年に大日本帝国へ清朝最後の皇帝 溥儀が現れた。
直ぐに国会議事堂に案内された溥儀はそこで大日本帝国に「満州周辺だけでもいいから清朝を復活させてほしい」と頼んだ。
大日本帝国はこれを受諾し直ぐに兵を派遣して満州を奪い取ったのである。
その後中国と和睦し、満州に溥儀を皇帝とした「満州帝国」が建国された。
そんな満州帝国の総督府で溥儀はとある人物と密談していた。
密談する溥儀の顔は青ざめていて、何かに怯えるように震えていた。
「…もう一度言う。大日本帝国を敵とし、宣戦布告せよ」
密談する相手は溥儀に高圧的に言った。
長身に形の整った顔に白い髪を腰まで垂らしたその姿はどこか現実離れしていた。
その相手-狂鬼家当主狂鬼鬼親は鋭い目で溥儀を見る。
「し、しかし!大日本帝国は中華民国から領地を取り返し、その上手に入れた領地をすべて私にくれた恩人です!そのような恩を仇で返すようなことはできません!」
その答えを聞いた鬼親はあからさまにため息をはいた。
「…成る程、そこまで大日本帝国に義理立てするのならこちらも考えがある」
そう言って鬼親は指で何かを弾いた。その何かは溥儀の口に入っていった。
「ッ!?あああああああああああああああッ!!」
「当家で開発した薬だ。効果としては相手を意のままに操れる」
薬の効果でのたうち回る溥儀を尻目に鬼親は立ち上がり、部屋をあとにした。
一週間後満州帝国は突然大日本帝国に対して宣戦布告した。その布告と同時に滞在していた日本軍を襲い、滞在していた3割が襲撃を受けて戦死した。
この時溥儀が演説を行ったそうだがそのときの溥儀の目は紅かったという。