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片思い合い  作者: 名口 慎
2/2

片思い合い 2



「お~い、何不細工な面してるわけ?」


屋上のフェンスにもたれて曇った空を宛てもなく見ている俺。


その隣では缶ココアをすする友人。


 ・・・別に。

と、あっさり返すと、

はは~ん、と気味悪く笑う友人。


はっきり言って気持ち悪い。


「さてはフラレたな?」


なんで、高校生ってのはこんなに単純で無能なんだ…?


まあ、俺もその高校生なんだけど…


「いや…まだ、告らなかった…」


ぼそっと呟くと隣で爆笑する友人。


なんて失礼なヤツだ。


「肉食顔してんのに、意外とシャイなんだな。


…で、誰好きだったわけ?」


…ったく、人の気も知らないで…



本気で好きだったのに…



伝えられない…


伝えちゃいけない…


このキモチ…



たとえ無理でも伝えとけば良かった。



“まじで…好き…”



届かない想いはどこへ行く?



俺は適当な人間だから、


これは遊びだったと思って流してくれるかな…。


それで、いつの日かまた一緒に笑ってくれるかな?



俺の隣で…

 

         


    END

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