Ⅳ─危機の足音─
こんにちは。
4話目です。
ついに犯人が発覚します!
では、楽しんでいただけると嬉しいです(^◇^)
「……」
沈黙するアリスに、アンは言った。
「答えたくないならいい……ところで、どうするつもり?」
「そうね……今の私では、化身になるのも命に関わるわ。迂闊には動けないわね」
アリスの声はそう言った。
リエは悲しそうに呟く。
「あ~あ……レグルス様……こちらでは優様でしたね。彼がご健在なら、すぐに何とかしていただけたのですが……」
「……獅子の落胤……水……動機……」
アリスの声はそう唱える。
そして、焦ったように外へと飛んでいった。
一方、穣は目を覚ましていた。
なぜ眠っていたかは分からなかったが、かなり危険だということだけは感じていた。
「……!」
同時に、現状にも気がついた。
手足が動かない。
目隠しもされている。
拘束されているのだ。
「悪いな、しし座の妾の子」
謝罪の意を含まない形だけの言葉が聞こえた。
「……犯人、だな?」
「そうだ」
躊躇いもなく発せられた言葉に、穣は苛立ちを覚えた。
「俺を囮にでもする気か?」
「まさか!」
犯人は心外だ、とでもいうように否定する。
「俺は最初から、お前が欲しかったんだ」
声と同時に、目隠しが外された。
薄暗い室内だった。
目の前に、誰かが立っていた。
犯人だ。
刹那、穣は首が圧迫されるのを感じた。
犯人が首を締めているらしい。
「ぅ……が……!」
「彼小見穣……お前を殺して、しし座の力を手に入れる!」
「やめなさい。彼はしし座の力を受け継いでいないわ」
突如、第三者の声がした。
「……コローナ・ボレアリスか」
犯人の手から力が抜けた。
「犯人……いや、みずがめ座の化身・アクアリウス」
アンの声もする。
続いて、リエも怒りを露にする。
「アリスの宝玉を、返して下さい!」
「仕方ねぇ……皆揃って死ね!」
アクアリウスと呼ばれた犯人は、ポニーテールを揺らして全員を睨んだ。
いかがでしたでしたでしょうか?
果たしてアリスは宝玉を取り戻せるのでしょうか?
では、5話目でお会いしましょう。