Ⅰ─出会い─
初投稿です。
緊張する……(笑)
最終回まで書けるかなぁ……。
その日は、穏やかな春だった。
ここ吾妻学園にも、春の空気が漂っていた。
脇を流れる小川には稚魚が住み、時折チャポンと音を立てる。
川原に植えられた桜並木に、小鳥が止まっては囀る。
そんな麗らかな春の陽気は外だけに止まらず、窓際の席で頬杖をつく彼小見穣のところまで漏れ出していた。
そんな空気を尻目に、テンションの高い少年が1人いた。
「聞いてくれよ皆!!俺、召喚術が使えるかもしれねぇ!!」
クラス全体の一瞬の静寂。
その後に、懲りずに彼は訴えた。
「いや、マジだって!お前は分かってくれるよな、穣?」
いきなり無茶ぶりされた穣は、困ったように眉尻を下げる。
「ま、まぁ……ね」
言いながらこっそり名簿を取り出し、名前を探す。
明坂将……ただでさえ暗記が苦手なのに、4月にはたくさんのことを覚えなければならない。
正直面倒だったので、机に突っ伏す。
穣は睡眠不足だったのもあり、騒ぎ立てる将の声をBGMにうとうとし始めた。
夢を、見た。
夢独特の曖昧な風景の中に、穣は独りぼっちで立っていた。
ふと視界の端に、銀色の糸が見えた。
その色だけが、その夢に妙な現実味を持たせてい た。
「え……」
彼の呟きに反応するように、声が響いた。
「お願い……助けて!」
そこで夢が途切れた。
目を開けると、教室には誰も残っていなかった。
空は茜色に染まり、烏が1、2羽巣に戻ってい く。
時計は5時40分を示していた。
後味の悪さを誤魔化すように噛み締めて、立ち上がる。
鞄を持ち、早足で学校を出ようとしたときだった。
「ぎゃぁああぁっ!!」
静寂を切り裂く絶叫。
穣は無意識に走り出した。
何を考えていたのか分からない。
ただ、追いつかない意識を押し込めて、無意識が体を動かしていた。
叫び声の発生源は、屋上だった。
吾妻学園では、過去に屋上からの転落事故があったらしく、今は立ち入り禁止になっている。
「何だ……これ……」
そこには、暗い景色が広がっていた。
夕闇に同化した、コンクリートの地面。
しかし、それよりも黒い色が地面を彩っていた。
仄かな光を放つ青白い線が、魔法陣を描いていた。
円の中に五芒星が描かれ、またその下にあるどす黒い闇が不気味さを増している
まるでブラックホールみたいだ。
「527人……」
突然、少女の声がした。
しかし、姿はどこにも見当たらない。
「今まで召喚術に失敗し、宇宙に飲み込まれた者の人数よ」
いつの間にか、穣の目の前に乳白色の水晶のような球体が1つ、浮かんでいた。
声は、どういう仕組みかその球体から発せられているらしい。
「私はアリス。貴方に力を借りるために、ここに 来たの」
呆然と立ち尽くす穣に、アリスと名乗ったその声は言った。
「協力して……もらえるかしら?」
いかがでしたか?
駄文ですみません(笑)
これからも読んでくれると嬉しいです。