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僕らの旅路  作者: ライン
一章 記憶の旅路
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第四話 パストラル滞在一日目

ケイトのステータス

職業 魔法使い 

体力 満タン

使える魔法の回数 ファイアLv2で残り5回

状態異常 特になし

装備品 制服(上下)

所持金 1000オル(宿泊代105オル込み)

使える魔法 ファイアLv2

宿に泊まって体力全快!

 次の日、ジルヤは目を覚まし、一階へ降りて行った。受付には昨日とは違う女性がっ立っていた。

「あら、宿泊者の人かい?」

「ア、アア、ハイ、ソウデス。」

まだ慣れないなあ・・・この声。さすがにもう笑わないけど。

「そうかい。私はベティ!この宿の宿主兼料理長さ!」

ウソだろ!?確かにしゃべり方は(失礼だけど)、おばさんみたいだが、容姿はどう見たって、まだ20代後半~30代前半だ。こんなに若くして宿主(しかも料理長でもある)になるなんて、先代に問題があったのか、よほど実力があったかのどちらかだろう。

「ソ、ソウデスカ。ヨロシクオネガイシマス。」

「食堂に行っといで!朝ご飯、作っといたから!」

ん?食堂?そういえば場所がわからないな。ジルヤも思ったらしく、

「ショクドウッテドコデスカ?」

とベティさんに聞いた。

「あら、昨日、何にも食べてないのかい?食堂なら、ここから左を見ながら右に行くと、一つだけ扉があるからそこが食堂になってるよ!」

「アリガトウゴザイマス。」

ベティさんの言う通りに動いたら、確かに扉があり、入った瞬間、いい匂いがした。とりあえず座席に座ると、ウエーターの人がシチューを持ってきてくれた。

「どうぞ、おめしあがりになられてください。」

「じゃあいただきます。」

あっ、普通の口調に戻ってると思っていたら、ジルヤがシチューを食べ始めた。

「!なんだこれ!めちゃくちゃうめぇぞ!」

本当だ!すごくおいしい!

「気に入ってもらえたかい?私の特性シチュー!」

振り向くとベティさんが立っていた。そういやこの人、料理長でもあるんだっけ。

「はい!すっごくおいしいです!」

ちょっと待て、今ジルヤ、完全にいつもの声だったよな。まさか食べ物の力で克服するとは、シチュー、恐るべし。

「そうかい!まだたくさんあるからたくさん食べていきな!」

「はい!いただきます!」

そういってジルヤは7杯もおかわりした。さすがに腹いっぱいでしばらく動けなかったが。

「おう、坊ちゃん、旅人かい?」

前から声をかけられた。

「はい、まあ、そうです。」

声の主は若干痩せてはいるが、がたいのいい、30代後半~40代前半ぐらいの男性だった。

「そうか、俺もだ。俺はフェンリル。職業は剣士。よろしくな!」

「こちらこそ。俺はジルヤって言います。」

「そうか、ジルヤっていうんだな。頑張れよ!」

「はい、ありがとうございます。」

そして、フェンリルさんは去って行った。明るい人だったなあと思いながら、僕たちは食堂を後にした。


「っでケイト、今日はどうする?」

今、僕たちは、自分たちの部屋に戻って、今日何をするか話し合っている。

「う~ん、とりあえずなんか買わない?武器とか、装備品とか。」

「そうだな。旅人が何も持っていないって本当に恥ずかしいもんな。」

ということで武器屋や防具屋に行って何か買うことにした。ベティさんに鍵を渡し、宿を出た。


「へい、いらっしゃい!」

まず僕たちは防具屋に行った。今僕たちが着ているのは、真夏に長袖、長ズボンという姿だった。制服には、半そで、半ズボン(なぜあるかわからない)もあるのだが、ドラゴンを倒したあの時、思いっきり返り血を浴びて血だらけだったからだ。街中に血だらけの人がいたらさすがに怪しまれると思い、森の中で着替えたのだ。まあそもそもなんで衛兵が僕たちにあの白と黒のラインが入った服(名前知らない)に着替えさせなかったのかがわからないけど。まあバカでよかったなあと思いつつ、服を探した。

「おい、ケイト、これとか軽くてよさそうじゃね?結構丈夫な皮みたいだし。」(小声)

ジルヤが持っているのは皮でできた服だった。なるほど、確かに良さそうだ。代金は200オルか。いいな。

「うん。じゃあそうしよう。」

「それじゃあとりあえずこれで、あとはズボンか・・・あ、あれは・・・。」

「へい、いらっしゃい!」

入ってきたのは、さっき、食堂で話した男性、フェンリルだった。

「フェンリルさん!」

「おう、ジルヤか、またあったな。何してんだ?」

「ちょっとズボンを探していて、」

「ジルヤ、職業はなんだ?」

「ええと・・・魔法使いです。」

ジルヤは僕のほうを優先してくれた(職業によって使いにくい装備と使いやすい装備がある。たとえばジルヤやフェンリルさんみたいな剣士なら鎧みたいな動きにくいが、防御力の高いものが使いやすく、僕みたいな魔法使いなら、防御力が若干少なくても動きやすい装備が使いやすい。)。もっとも、ドラゴンをノーダメージで八つ裂きにできるんだから装備なんていらなさそうだが。

「じゃあ、こういうのはどうだ?」

フェンリルさんが見せてくれたのはジャージみたいなズボンだった。

「これは、自分の魔力も少し高くしてくれるズボンだぜ。」

「いいですね。何オルですか?」

「ええと、500オルだな。」

500オルか、若干高いな。でもここは買おう。

「ジルヤ、買って。」

「じゃあ、それにします。」

「そうか、ほらよ。」

フェンリルさんはジルヤにそのズボンを渡した。ジルヤはレジへ向かった。

「これ、ください」

「はい、700オルになります。」

「はい、どうぞ」

「毎度ありがとうございました。」

「じゃあ、フェンリルさん、僕は出ていきますんで。ありがとうございました。」

「いいってことよ。」

僕たちは店を出て、宿で着替えた。皮の服は軽く、思ったより丈夫だった。ジャージはジャージで、かなり軽く、動きやすかった。

「でも残り195オルか・・・どうしよう?」

「問題ない、一階にいいもん見つけた。」

とりあえず、僕たちは一階に行った。そして、ジルヤが目に付けたのは、宿屋の掲示板だった。

「これだ。」

宿屋の掲示板にはたくさんの紙が貼られてあった。

「これって・・・。依頼の紙?」

「そうさ。そして報酬はたいてい金だ。これで金を稼ごう。」

「なるほど。一挙両得だね。」

「依頼の受け方がわからないんだが・・・。ベティさんにでもきくか。」

そして僕たちはベティさんのもとへ。

「ベティさん。依頼、受けたいんですけど・・・」

「私に依頼の紙を見せてくりゃいいよ。連絡は私がするし。」

「わかりました。」

そして、僕たちは掲示板の前へ戻ってきた。だけどふつう依頼ってのは一日かけてするものばかりだ。だから今からやったら夜までかかってしまうと思い、ジルヤに言った。

「ねえ、今日はやめとかない?今からやってしまったら、宿の門限を過ぎちゃうかもしれないし。」

宿の門限は8時だ。それに遅れたら野宿をすることになるのだが、お金を取られてしまう。(ベティ談)今はもう1時になりそうだった。

「それもそうだな・・・でもどうする?」

「森に行かして。魔法の修業がしたい。」

「・・・そうかよ。」

僕たちはとりあえず食堂で昼食を食べ(昼食はスパゲッティ。これも絶品だった。)、かぎをベティさんに渡し、森へ向かった。


 森の中は真昼だというのに薄暗い。だが、ここは、だれにも見つからないので案外気に入っていた。

僕とジルヤは体の主導権を交代し、僕は「フリーズ」という魔法の練習をした。しかし、どうもうまくいかない。

「ふう・・・なかなか難しいな。」

「そういやさ、ケイト、どうやってあんたは「ファイア」をつかえはじめれるようになったんだ?」

「ええと・・・掌の上に火の玉を作るイメージで掌に魔力を込めてみたんだよ。そうしたら、できた。」

「じゃあさ、「フリーズ」の技をイメージして魔力を込めたらできるんじゃね?」

「そうだな、やってみるよ」

僕はさらに何時間も練習した。しかし、「フリーズ」が出てくる気配はなかった。

「今日はここまでだ。ケイト、代わるぞ」

「うん、わかった。」

そして、町へ戻ろうと思い、来た道を歩きはじめた。すると・・・

ドサッ!

何かが落ちる音がした。

「ジルヤ、行ってみよう。」

「わかった。」

僕たちは音のなったほうへ走って行った。するとそこには一人の少女が倒れていた。

「!ジルヤ!この子血だらけだ!早く宿に連れて行こう!」

「了解!」

僕たちは走って宿へ戻った。宿の受付にはベティさんが立っていた。

「どっどうしたんだい!?その子!?」

「わからない!倒れていたんだ!」

「急いで医者を呼んでくる!あんたはその子をあんたの部屋に寝かしておいておくれ!」

「わかった!」

僕たちは急いで、少女をベッドに寝かせた。しばらくすると、ベティさんと一緒に医者と思われる人物が入ってきた。

「お医者さん!この子です!早く診てやってください!」

医者は急いで、その少女を診察した。


「たくさん血が出ていますし、たくさん傷がありますが、幸いなことに全部、傷が浅かったので問題ないですよ。明日一日安静にしていれば無事に体も動くでしょう。」

「そうか、よかった~。」

僕も、ジルヤもとりあえず安心した。

「では、わたしはこれで。」

「ありがとうございました。」

そういって医者は出て行った。

「さて、その子の部屋を探さないとねぇ。」

ベティさんに任せるのもなんだし、僕たちがこの子を見るって言ってとジルヤに言おうとしたら

「大丈夫ですよ、ベティさん。こいつはおれが見ますんで。」

とジルヤが言った。どうやら同じことを考えていたらしい。

「え?いいのかい?」

「はい、俺が拾ってきたんだから、俺が面倒見なきゃ。」

「・・・わかった。頼むわよ。」

そういってベティさんは出て行った。傷だらけの少女はスースーと寝息を立てながら眠っていた。その姿は結構かわいらしかった。


セリフ多!今回はいろんなキャラクターが出てきたな~。キャラクター紹介も更新しとかないと。

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