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僕らの旅路  作者: ライン
一章 記憶の旅路
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第三話 街へ行ってみよう  

ケイトのステータス

職業 魔法使い

体力 残り少ない

魔法が使える回数 残り0

状態異常 特になし

使える魔法 ファイア(Lv2)

持ち物 特になし

装備品 制服(上下)

所持金 1000オル(オルというのは、この世界のお金の単位だ。ビッグマッシュを倒したら出てきた。どうやら強い奴を倒すとお金が出てくるみたいだ。)

そして何より、「おなかが減っている」。


「ああ~もう!ケイト!もうキノコ(モンスターの死骸)食っちまおうぜ!」

「いやだ。」

絶対そんなもん食いたくない。食用じゃないし。

「じゃあどうすんだよ!」

「・・・。」

何も言えなかった。ずっと無言でいると、何かの音がかすかに聞こえてきた。

「ジルヤ、何か音が聞こえる。行ってみようよ。」

「モンスターたちじゃねえのか?今言ったらやられちまうぜ。」

少し耳を澄ませてみた。ザアザアと何かが流れているような音が聞こえる。そしてきづいた。

「!ちがう!これはモンスターの声じゃない!水の音だ!近くに川が流れているんだよ!」

「本当か!?行ってみようぜ!」

僕はジルヤと体の主導権を交代し、ジルヤはぼろぼろの体を無理やり立たせ、音のなる方へ歩いて行った。ジルヤも痛みを感じているはずなのによく立てるなあと僕は思った。


数分歩いたところで僕たちは川に着いた。ジルヤは水面を眺めながら言った。

「本当に流れてたよ、やるじゃねえか。」

しかし、僕は別のところに意識があった。水面を眺めているジルヤの顔といつも鏡で見ていた自分の顔がかなり違っていたのだ。

「ねえ、ジルヤ、僕たちかなり顔違わない?」

「そうなのか?俺、あんたの顔見たことないからな。」

「・・・ちょっと思いついたことがあるんだけど。聞いてくれる?」

「ああ。」

僕はおなかが減っていることを気にせず、ジルヤに話した。

「僕たちは脱獄囚だよね。だから今、こうやって森を歩いている。食料確保のためにね。」

「だからどうした?いまさら考えることか?」

「まあ最後まできいて。僕たちは逃げ出した。だからおそらく、僕たちは指名手配されている。全国に僕の名前と顔写真がでまわっていると思う。だけど、指名手配されているのはぼくだけ。ジルヤのことは一切書かれていない。ということは・・・」

「ということは?」

「僕の体の主導権を君に渡したまま、町に行っても何ら問題はないってこと。」

「でも、脱走した時はおれの顔だったぜ。それでばれる可能性だって・・・」

「いや、それはないよ。僕たちが脱走した時にとられたのは防犯カメラの画像だけだ。君が防犯カメラに向かってピースとかしてなければ問題ない。」

「ピースって・・・するわけねえじゃん。」

「じゃあ大丈夫。ただ、あの町に戻るのはさすがに危ない。ここで休憩してからほかの町に向けてまた出発しよう。」

僕たちは川の水を飲み、魚を一匹とって焼いて食べた。ん?どうやって焼いたって?木とか草とかを集めて「ファイア」しただけさ。たき火程度の威力ならいつでも出せるからね。


 そして僕たちは歩き始めた。そして、日が暮れそうになった時、ついに森を抜け、ちっぽけな街に到着した。

「ふう・・・。やっと着いたか。」

「とりあえず、宿を探そう。」

「・・・。」

「?どうしたの?」

「・・俺、ケイト以外の人と話したことがないから、ちゃんと話せるか不安なんだ。」

「でも、僕は話せないから・・・頑張って。」

ジルヤは「本当に大丈夫かよ・・・」と思いながら歩いて行った。この街全体(この町は「パストラル」という名前だった。)の地図が描かれた立札を見つけ、宿に向かった。


 宿には受付と思われる女性が一人、座っていた。あまりにもジルヤがもたもたしてるもんだから、つい、

「早くいけ。」

と言ってしまった。結果、ジルヤはちゃんと行ってくれたが。ジルヤが

「アノースイマセン。」

と言って僕は笑いかけてしまった。ジルヤ、いつもとまったく違うじゃん。声。

「はい、なんでしょうか?」

「ココニトメテモライタインデスケド・・・」

ぷぷっ!や、やめろよその声。やばい、本気で笑いそう。

「ええと、お一人様ですか?」

「ハッ、ハイ、ソウデス。」

「朝、昼、晩、お食事つきで一泊15オルですが、何回ぐらいここでお泊りになられますか?」

「エエト・・・」

「おいっ、ケイト、どうする?」と心の中で聞かれたのでとりあえずテンパってるジルヤに答えてあげた。

「一週間って言って!」

「イッシュウカンデ。」

ああ・・・相変わらずテンパってる。

「わかりました。105オルは後払いとなっておりますのでよろしくお願いします。あと、これがあなたの部屋の鍵です。」

と言って手渡されたのは201と書かれたキーホルダーがついているカギだった。

「201号室は、そこの階段を上がってすぐのところにあります。外出するときは鍵を持ち歩かずに、こちらへお渡しください。」

「ハ、ハイ。ワカリマシタ。」

「では、ごゆっくり。」

そして僕たちはすぐに、自分たちの部屋へ向かった。ガチャリ、と部屋を開けると、部屋の中には、ベッドが一つと、トイレへのドアが一つあっただけだった。

「ちょ、何?さっきのしゃべり方?めっちゃ笑いそうになったんだけど。」

「うっせ///。もう寝るぞ。」

「えっ?まだ早・・・」

「はい、はい、おやすみなさ~い。」

ジルヤに体の主導権を譲ったままだったから、ジルヤは電気を消して、ベッドの中に潜り込んでしまった。しかし、よほど疲れてたからであろうか、僕は数分もたたないうちに眠ってしまった。

自分で言うのもなんだけどびっくりするぐらいケイトが黒くなってしまいました。いじめられっ子っていう設定なのに・・・それと今回はかぎかっこの前に名前をわざと書きませんでした。どっちがいいだろう・・・?

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