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僕らの旅路  作者: ライン
一章 記憶の旅路
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第二話 ケイトとジルヤとキノコたち

前のあとがきで題名を「一人で二人」に変えるようなことを言っておりましたが、そのまま「一人でふたつ」で行きたいと思います。(前のあとがきは変えておきます)

 ジルヤは無事牢獄を脱出したものの(なんか変な感じだが・・・)、衛兵がすぐ近くまで来ていたので、脱獄した後も走り続けた。

「待て!」

「そういわれて待つバカはいねーよ。」

と、なんともありきたりなセリフを吐き捨てながらジルヤは走っていた。

「くそ!なんという速さだ!こんなんじゃ追いつけねえぞ!」

僕たちはどんどんスピードを上げ、うまく逃げ切ることができた。


「ハァッ、ハァッ、これからどうする?ケイト。」

とりあえず、自分の体に戻りたいなと思ったので言った。

「じゃあ、体を返してくれる?」

「しょうがねえな・・・ほらよっ。」

あまり変わった感じがしないが、右手を握ってみるとちゃんと握れた。どうやら本当に元に戻れたようだ。

「で、どうすんだ?」

「う~ん。」

すると、おなかが鳴った。そういえば昨日の昼から何も食べていない。今はもう明け方だ。

「とりあえず、食料の確保からかな。」

けどどうしよう、今、ここは、草原だった。近くには森もあった。しかし、ここがどこかわからないんじゃ当然、食べ物がどこにあるかなんてわからない。近くの宿を探し、そこで食べさせてもらうって方法もあるが自分(達)は脱獄囚だ。そんな人目の多い場所に行くとすぐに捕まってしまう。それに、お金もない。

「・・・まあとりあえず森のほうを探してみるか。」

そういえば、世界にはたくさんのモンスターがいると父さんに聞いたことがある。それこそジルヤに頼めばたおしてくれるが、自分の実力じゃ倒せないモンスターばっかりだ。せめて、もう一つぐらい魔法が使えるといいんだけど・・・。今の僕じゃ、食べ物を探しに行くことさえ危険だ。本当に自分の弱さにあきれる。

「ジルヤ、もう一度体を貸すよ。」

「ハハッ、帰ったら魔法の特訓だな!ケイト!」

「へっ?」

あれ?なんでそんなこと言うんだろう。まるで心を読み取られたようだ。と内心結構びっくりしているときにジルヤがまた言った。

「言ったろ?「俺はあんただ」って。ケイトが考えたことはおれの頭にも浮かぶんだよ。」

なるほどっと思いつつ、僕たちは体の主導権を入れ替えた。

「じゃあ行くか!」

僕(達)は森に足を踏み入れた。何が起こるか全く想像できない未知なる森へ。

 森はまだ明け方というのもあって、かなり薄暗かった。歩いているといきなりキノコのようなモンスターが襲いかかってきた。

「ギャァァァス!」

「なんだ?あいつ?」

ジルヤは知らないようだが僕はそのモンスターが何か知っていた。だから、僕はジルヤに伝えた。

「「マッシュ」だ。あまり強くなく、攻撃も体当たりしかしてこない。」

「食えるか?」

「・・・モンスターはどんな姿をしてても食べることはできないよ。」

(食いたい食いたい食いたい食いたい食いたい食いたい食いたい食いたい食いたい食いたい)

「我慢してね、ジルヤ。」

っていうかジルヤ、君は僕なんだからモンスターの名前ぐらい把握しておけよ。あいつは結構有名なモンスターだぞ(雑魚として)。そしてモンスターを食べるなんて考えるなよ。

「シャッ!」

マッシュが体当たりしてきたが、ジルヤはごくあっさりと攻撃をよけ、すぐにジルヤは右手でマッシュの腹を殴った。(めっちゃ感触気持ち悪い) 

「グエェェェ!!!」

マッシュはなすすべもなく倒れてしまった。

「よし、食料GET!!」

「だから食べれないって。」


 この森で一体何時間探しただろうか、一向に食料が見つからない。自分の足もかなりへとへとだ。(この森にはマッシュしかいなさそうなのでジルヤと僕は交代している。マッシュ程度ならさすがの僕でも倒せるしね)

「ジルヤ~。食料見つかんないね~。」

「だからあのマッシュとかいうキノコを・・・」

「だけど僕はあきらめない!あきらめたらそこでおしまいなんだ!」

「いい言葉でごまかしてるけど、それってただのすききらいだよな。」

「いや、違うから!本当に!モンスターなんて食えないよ!」

「ほらな、ただのすききらいだ。」

「・・・・・。」

そんな会話をしていると、少し大きい広間に出た。(森に広間っておかしいですが、気にせずに)そこには大きなキノコのモンスターがいた。モンスターはこちらのほうを見ていた

「くそっ!「ビッグマッシュ」か!」

「何だ?「ビッグマッシュ」って。」

ジルヤに聞かれたので答えた。

「「ビッグマッシュ」ってのはその名の通り、大きいマッシュだ。攻撃パターンはマッシュと一緒だけどマッシュより体力があって、パワーもある。」

「かわってやろうか?」

「いや、いい。自分の実力を試してみたいんだ。」

「そうか。がんばれ。」

「ギャァァァス!」

ビッグマッシュが僕に体当たりしてきた。僕は何とかかわし、ビッグマッシュは木にぶつかっていった。しかし、ビッグマッシュがぶつかった木はミシミシっと折れていった。

「!なんて威力だ!あんなのくらったらひとたまりもないぞ!」

ビッグマッシュはまた体当たりをしてきた。こんどは避けながら、魔法を放った。

「くらえ!「ファイア」!」

掌で作った火の玉を相手に投げつけた。しかし、はずれてしまった。「ファイア」が当たった草木は燃えており、ビッグマッシュは怒ったように体当たりしてきた。

(さて・・・どうしよう。僕が「ファイア」を打てる回数はあと4回、全部あててもあいつを倒せるとは限らない、このままだと逃げきれなくなって、あの体当たりを受けてしまう。)

だが、考える暇もない。僕はもう一発「ファイア」を投げつけた。すると今度は命中したがジューーッと音が鳴っただけで外傷はほとんどなく、むしろさらに怒らせただけだった。

「ギャァァァス!」

「くそっ!ほとんど効いていない!」

また体当たりを仕掛けてきた。僕はさらに「ファイア」を2回放ったがそれでもあまり効いていない。体当たりを避けようと思ったが少しかすってしまった。思った以上に体が動かない。

「これ以上待てねぇ!ケイト!代わってくれ!」

「ジルヤ!最後までやらせてくれ!」

「くそっ!死ぬなよ!」

「わかっている!」

そしてビッグマッシュは再び体当たりの準備をした。

(これにかけるしかない!)

僕はあと1回しか放てない「ファイア」を放つため、右手に集中を込めた。ビッグマッシュは体当たりをしてきた。僕はよけきれず、木にたたきつけられてしまった。幸い右手は動かせることができ、火の玉を作り上げた。その火の玉はいつもより数倍大きかった。

「(!いける!)くらえ!「ファイア」!」

いつもより大きい火の玉をビッグマッシュに思いきり叩きつけた。ビッグマッシュは燃え上がり、炭となった。

「・・・やったぞ、ジルヤ。」

「ふん、無茶しやがって。」

僕は初勝利がついうれしくてかすかに笑ってしまった。


ケイトのファイアがレベルアップ!  レベル1からレベル2へ!

もっと頑張んなきゃ・・・(勉強込みで)。


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