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暴君の妃  作者: 六花
2/3

王妃ジャスミン

ジャスミンは寝覚めると執務室にいた

このまま自分は眠るように死んだ、執務だけ押し付けるお飾り王妃として、また繰り返すならここから逃げないと、でもどこへ、行く場所なんて無い

叔父達は私の知らぬ父親を平民と思い嫌う

その父親も誰か私にはわからない

なら平民として質素に暮らして行けばいい

そう考え宮から抜け出し城下町を抜けるように歩くと止められた

「マリ様、ですか?」

マリ、それは今亡きジャスミンの母親の名前


騎士は裸足でマントをかぶり歩く少女に見覚えのある歩き方

咄嗟に呼び止めた

「マリ様ですか」

彼女は否定する

彼女はマリ様ではない、当たり前だ、マリ様より幼い

少女はロケットを見せる

それはマリ様だ

「貴女様はマリ様の娘ですか?」

頷く

騎士は思わずジャスミンを抱き寄せる

「あ、ああやっと見付ける事が出来た

私達は貴女様をずっと探していました」

(私を探していた?)

「私は貴女様の父君の騎士です

父君もずっと貴女様と母君を探していました」

父親の騎士、父親は平民ではなかった?

ずっと私達を探していた


ジャスミンは騎士を平民の墓へ連れて行き、母の墓に案内する

「マリ様」

何故平民の墓に、それにお嬢様

「お嬢様、旦那様の屋敷にお連れします」

騎士はジャスミンを馬に乗せ屋敷へ

着いたのは大公の屋敷

「ルーカス」

「旦那様のお嬢様です、やっと見付けました」

「ああ、よかった、ずっとお待ちしてましたお嬢様」

ずっと待って居た?

騎士に抱かれたまま中へ

そして部屋に入り風呂へ、ガリガリの体、傷もあり、体中埃まみれ

今までどこに居たのやら


ルーカスは主である大公に手紙を送る

奥様は亡くなりお嬢様が見つかりました

お嬢様は話せないのか、何も話しません

私達を警戒してるかもしれませんが


グリオン王は外を見る

ジャスミンが立ち去る

王家としての力、祝福により解る

あの時、この力を過信したあまりジャスミンを失った。

だが、今は違う、今度こそジャスミンを守る


朝ルーフェルト家は苛立つ

ジャスミンが王宮から消えたのだ

その為、執務を押し付けられない

行く場所など無い小娘がどこへ行ったのか解らない

姉の娘、しかし父親は誰か分からず、ルーフェルトの血も()()も使わない無能


祝福とは、その昔民を助けし初代王が女神により祝福の力を王に与え、王もまた人々に祝福を与え、国民は、祝福を扱う

しかしジャスミンは祝福を得てから一度も祝福を使わない

だからルーフェルト家はジャスミンを無能として扱った。

早く見つけないと


グリオンは側近達を呼び、ネックレスに追跡魔法をかける

「王妃に」

ネックレスが王妃宮へ

『王妃様も喜びになるでしょう』

使いが立ち去る

『これをルーフェルト家へ持っていって、全くあのくずが王妃なんてどこに消えたやら、まぁ消えても構わないわね、お飾り王妃様なんだから』

ネックレスは王宮から離れてルーフェルト家へ

『ローズ、陛下からの贈り物よ、やっぱりあの出来損ないよりローズにピッタリね』

『早く消えてくれないかしら、王妃は私が相応しいのに、陛下はなんで出来損ないの悪女の噂のあの女を求めたのかしら』

『全て貴女を聖女にする為の嘘だけどね

全くあの出来損ないどこに行ったのよ、行く場所もないのに』


ルーフェルト母娘の会話

悪女など偽り、ルーフェルト家の娘を目立たせる嘘

グリオンは深いため息を吐き出す

「近衛兵、王妃宮を調査、捕縛せよ、ルーフェルト家にはばれないように」

「御意」

「陛下、王妃様の居場所は」

「安全な場所に保護されてる、タイミングを図って逃がしたからな」

グリオンはある男を見る

側近の一人が落ち込む

自分は悪女だからとジャスミン様との結婚を反対した

しかしジャスミン様の悪女は偽り

利用されていた

彼女をきちんと見ていなかった。


近衛兵が向かうと王妃を捜さず、酒飲んで仕事もしない

皆叩き起こし地下牢へ連れて行く

王妃の部屋は使用されてない

そして見つけた廃墟、その執務室に山のような書類、硬いパンに少ないスープ

ここで生活させられていた

服も平民以下の破れ直されたスカートしかない

王妃様はどんな思いでここに居た?

近衛兵は全てを伝えた

「そうか」

グリオンは外を見る

(ジャスミンは帰って来てくれるだろうか?)


別邸に紳士が来る

「娘は」

「保護してから五日、目覚めません」

部屋へ向かうと包帯まみれで息をしてるのか不安なくらい、静かに眠ってる

「ジャスミン」

ウルハバーン家の青色の髪、妻マリに似てる娘

やっと見つけた

「領地へ、ルーカス、妻の墓もだ」

「はい」

「帰ろうジャスミン、私達の家に」

場車でゆっくりと領地へ

しかしその間、ジャスミンは起きなかった


ゆらりと起きる

見覚えのない部屋、体をゆっくり起こす

「お嬢様」

待女が駆け寄り体を支える

「やっと起きてくれましたね、よかった」

水を渡され飲む

その時紳士が来る

「旦那様」

旦那様?

「ジャスミン、ああ、よかった、君は、半月も昏睡状態で、よかった本当に」

昏睡状態、名前

「済まない、私はガウィン・ウルハバーン、君の叔父だ、今まで辛い思いをさせて済まない、これからは私が君を守る」

ジャスミンはガウィンを見る

叔父

「済まない、君の父は亡くなったんだ

皆は知らない、私が君の父の影武者だから

話せないから少し安心した、君が大公に相応しい後継者になれば私は消えるから」

ジャスミンが見る

『私の父として居てください』

ガウィンはジャスミンを見る

「君がそう言ってくれるなら、君の父になろう」



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