9. 閑話②
2回目のコーチ合奏で割としっかり目に説教をした夜。
「ただまー」
「おかりー!」
家に帰ると妻と猫が出迎えてくれる。
「ご飯にする?お風呂にする?それともア・タ・シ?」
「メシでよろしくー」
「むぅ、つれないなあ。こんな美人なお嫁さんの麗しいカラダを好き放題できるんだぞ??ほれほれ」
「やけに機嫌が良いんだな。何かいいことでもあったのか?」
妻のウザ絡みを華麗にかわしながら、津昭弘は荷物を自室に置き、手を洗う
「そ〜おなのよお!ぴえりーのFC限定ライブが当選しちゃったのよ!!あなたは今日何か嫌なことでもあった??ちょっとだけ顔色が悪い気が。」
「よく気付くな.....」
かくかくしかじかで...と合奏での話を一通り説明した。
「、、、スーーーーッ。あんたバカじゃないの!?!?!?!?!?!?!?!?」
あまりの大声に猫の尻尾は太くなり、何が起こったのかわからずキョロキョロしている。
「大して部活に顔を出してる訳でもなく部員から信頼を得られてる訳でもないあんたが合奏2回目で生徒指揮の女の子一人を標的にして説教をしたと!?!?!?」
「いやまぁ結果的には責任者に伝える形にはなったけど、一応全員に向けて言ったつもりでして.........」
「そーゆー問題じゃない!!!!年端も行かない10代の女の子一人を晒し上げにして説教をする!!この事の重大さ理解してる!?!?相手側にだって何か事情があったのかもしれないのよ!?あなたは何か相手のことを知ろうと努力したの!??????」
「、、、できてません。。。」
「ほ〜ら言わんこっちゃない!まずはしっかり部員から部活の話を聞くこと!そんで部員が悪いかどうか関係なしにしっかり全体の前でごめんすること!!約束できる!?」
「...はい、、、」
「返事が小さい!!!!!!もっと大きく!!!!」
コーチ、津昭弘は妻には一歩も敵わなかった。
ほんの1分前までは慌てていた猫も、もう既にリラックスして毛繕いしてる。




