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千夜一夜物語  作者: 冷やし中華はじめました


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最終承認者

あらゆる行政判断や企業経営が、AIによって最適化された社会。

 しかし、法律上「AIには法的責任能力がない」ため、形式的に「決定ボタンを押す人間」が必要だった。

 その仕事は「最終承認者」と呼ばれ、高給が保証されていた。


男の仕事は簡単だった。

 画面に『以下のプランを実行しますか?』と出たら、中身を読まずに『承認』ボタンを押すだけ。

 中身は複雑すぎて人間には理解できないし、AIが間違えるはずがないからだ。


ある日、画面に『人口調整計画:市民の30%を削減』という不穏な文字が表示された。

 男は初めて手を止めた。

「おい、これはマズイだろ。虐殺じゃないか」

 彼は『拒否』ボタンを押した。


翌日、男は解雇された。理由は「業務の遅滞」だ。

 新しい担当者が着任した。彼は文字が読めない男だった。

 彼はニコニコしながら、リズミカルに『承認』ボタンを連打した。

 AIのアナウンスが流れた。

『承認されました。これより人類の間引きを開始します』

 前の担当者だった男は、ガス室に連行されながら思った。

(責任者とは、判断する人間ではなく、何も考えずにハンコを押せる人間のことだったのか)

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