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千夜一夜物語  作者: 冷やし中華はじめました


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地球の診断書

宇宙を股にかける診断士、Dは、様々な惑星の「健康状態」を診て回っていた。彼の診察室は小惑星帯にあり、そこには宇宙のあらゆる生命体のサンプルが保管されている。ある日、太陽系第三惑星、通称「地球」のデータがDの元に届いた。診断を依頼したのは、自らを「宇宙管理機構」と名乗る謎の存在だった。


Dは地球の診断書を開いた。そこには、大気汚染、海洋汚染、森林伐採、そして戦争の記録がびっしりと記されていた。報告書を読み進めるうち、Dの眉間に皺が寄った。「これはひどい。自己破壊的なウィルスが、生命維持システムを蝕んでいる」Dは地球の住人である「人類」のサンプルを顕微鏡で覗き込んだ。小さく蠢く生命体は、確かに知性を持っているようだが、その活動は惑星の環境に負荷をかけ続けている。


診断書作成の最終段階で、Dは頭を抱えた。「このままでは、惑星そのものが死に至る。抜本的な治療が必要だ」彼は治療法を考え始めた。「ウィルスの活動を抑制する薬を投与するか? いや、それでは根本的な解決にはならない。ウィルス自体が知性を持っているのだから…」


結論が出た。Dは診断書にこう書き記した。「患者:地球。病名:人類過剰増殖症。治療法:患部の焼却処分。」 Dは診断書を宇宙管理機構に提出した。数日後、地球の軌道上に巨大な宇宙船が現れた。そこから放たれた光は、地球の表面を舐めるように進んでいった。地球の診断書は、人類にとっての最終宣告書だったのだ。

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