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3-32.「それぞれの選択」

3-32話です。


新規ブックマーク頂きました!!

ありがとうございます!!

ライとサクラが潜入捜査をしている頃、各地の聖域都市にも動きがあった。全国に散らばった72か所の聖域都市に『大阪南部聖域都市が陥落』の情報が流れた。


「まだ、魔物が動き出してから3か月も経ってないぞ!!」聖域都市で暮らす人たちにとって、この事実は受け入れがたい事だった。


「おい!聖域解放軍!!お前たちは何をやっておる!!このままでは、この都市も二の舞ではないか!!諸君らの頑張りに期待する!!」各聖域都市の偉い人(最上民)は叱咤激励という名の、他人への寄生を強めていた。


頑張って、何とかしている人に対して、「頑張れ!もっと頑張れ!」は禁句である。

「〇〇先生は、これ以上、我々に何を頑張れと言っているのでしょうか?我々の隊は、日夜、魔物の間引きを兼ねた、食料・魔石の調達。聖域都市の治安維持にと日々を過ごしています。」


「そんな事は、言われんでもわかっておる!!」「…。では?どうしろと?」「そ、それを考えるのが君たちの役目だといっているのだよ。」

「では、先生方も外に出て、我々と同じように命を懸けて、魔物の間引きをして頂けるという事ですね?」「そ、そうは言っておらんではないか…。」



どの聖域都市でも、似たような意見のやり取りがあった事だろう。

聖域都市内で、実際に軍事力を持つ者と権力を持つ者のパワーバランスが崩れて来ているのである。




~和歌山聖域都市~

「…というわけでして、大阪南部聖域都市の付近に、小鳥遊 雷という小僧の一味が聖域を持っているのです。個人で聖域を取得していること自体犯罪だと、わしは思うのですが、皆さんの意見はいかがか?」


和歌山聖域都市の知事は「けしからんですな。国が定めた法律を守れない者は、犯罪者集団では、ないですか。聖域都市に何かがあった場合は、「最上民」を優先にするという法律まで守らなかったのですよか…?」


「そうなんじゃ。あの、小僧は「私たちの聖域で生活する人に身分は関係ありません。自分たちで力をつけて独立するのも自由です。住居は用意しますが、食事などはご自分たちで頑張ってください。」と言いおった。」

「そ、それは、最上の方も含まれているという事ですよね…。」「わしが問いただせば、「非国民でいいです~。」と笑って居ったわい!!!今思い出しても腹が立つ!!!」


和歌山聖域都市から連絡を受けた政府は、小鳥遊 雷が率いる聖域を反乱軍。国家の転覆を企む集団と認定した。


特権階級。最上や上級国民の為の見せしめ処置だった。


この決定により、全国の聖域都市と付近のレジスタンスの仲は最悪の状態になってしまった。多くのレジスタンスが、日本国家からの独立を宣言。「小鳥遊 雷氏を支持する。」と表明したのである。人助けを無償で行った集団が反逆罪に問われたのだから。ただでさえ自由を求め、レジスタンスになった者にとっては当然の決断である。


後に「小鳥遊運動」と呼ばれるこの事態に拍車をかけたのが、葛城 忠であった。



~葛城の聖域村~

葛城は、自分のように聖域都市を離れた部隊をたくさん知っていた。自分が聖域都市を離れた時、お世話になろうと思っていたからだ。

葛城は、守備隊無線で連絡した。「大阪南部聖域都市に所属していた、葛城です。ご存じだと思いますが、南部聖域都市は壊滅しました。一つのレジスタンスグループが我々を援護してくれなければ、我々は全滅し、魔物の長であった、ゴブリンジェネラルは魔王化していたと思われます。そのレジスタンスに命を救われましたので、私と部下の小隊は、彼らと行動を共にすることに決めました。」


「葛城君と言ったか。君は日本国に背くという事を発信している自覚はあるかね?」「あのおかしな状態が、国の指示であるのなら、国には従えないと思います。1自衛官として国民を守りたい。私は、そう思っております。彼ら、レジスタンスの皆がとった行動。それが、私の目指す行動と同じだと感じました。彼らは実際に行動を起こし、たくさんの人命を救った。その行いは、褒め称えられる事はあっても、避難される…ましてや反乱軍呼ばわりされていい物では無い!!私は、そう強く思っております!では、失礼します。」


この葛城の行動は、多くの聖域都市守備隊員にまで、影響を与える事になる。





全国の聖域都市の数は72個、そのうちの沖縄、鹿児島、福岡、広島、徳島、淡路島、長野、埼玉、仙台、札幌の10個が独立を表明。


日本政府の指示により、独立した聖域都市へ貸し出していた聖域は取り上げられた。

守備隊の聖域で賄える人口は限られた。約3万人の聖域都市で生活していた住居の受け皿が100人の都市になってしまったのである。


この、日本政府のなりふり構わない対抗措置には、他の聖域都市からも批判が続出した。しかし、国は聖域を返却する事は無かった。


※基本的に聖域守備隊は各聖域都市に☆10までしか割り当てられていない。


独立を表明した聖域都市は、鹿児島と仙台を残して壊滅した。


壊滅した聖域都市付近には、魔王化した魔物が現れた。その影響を受けた他の聖域都市やレジスタンス拠点も徐々に劣勢になっていく。

狂暴化した魔物によって、インフラは破壊され日本全国の携帯電は圏外。電気の供給は無くなった。


こうして、日本は国家としての機能が止まった。先進国で、最初の国家崩壊だった…。


作者からのお願いです

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