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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
【第二部】“旅立ち”編
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【第二部】第三十七章 猫と鷺と

――森林部――


 琥珀を救いに現れた青姫が辺りを見回す。“笑顔”、“怒り”、“愉悦”――そして“泣き顔”の仮面をつけた道化達がこちらを注視していた。


「ふむ……“人ではない”のぅ。かといって、わらわ達と同じ気配は感じるが“妖獣でもない”。――はてさて、面妖な」


 不意打ちで襲いかかってくる氷柱に目も向けず扇子を一閃。忽ち蒼炎に飲み込まれて氷柱が消滅した。


「ふむ、ちと小うるさい(ハエ)が飛んでおるようじゃ。――琥珀」

「わかったにゃ!」


 死角から青姫に襲いかかってくる“笑顔”と“怒り”、そして“愉悦”の仮面達を琥珀が()()()()()()()


「さっきまでの(よう)にはいかないにゃよ?」


 “怒り”の放つ鉄球を鎖ごと引きちぎり、手に入れた武器をぶん回して“笑顔”と“愉悦”にお見舞いする。盛大に吹き飛んでいく二人には目も向けず、鎖を持ち鉄球を振り回しながら“怒り”に相対した。


 全身からオーラを立ち上らせた<闘気解放>モードの琥珀を目の当たりにし、“怒り”の身がすくむ。――容赦無用の豪速球が琥珀より放たれ、“怒り”が仮面ごと頭部を叩き潰された。



「先程からコソコソと……恥を知れ!」


 上空に位置取る青姫は、地上の木々に身を隠しながら氷柱を放ってくる“泣き顔”と交戦していた。


 向かってくる氷柱群を蒼炎で払いつつ、青姫は敵の隠れ潜む木々に蒼炎を放っていく。


 “泣き顔”は木が燃やされる度、次々と隠れ場所を変えるが、――不意にその動きを止めた。


「ようやく気づいたのかえ? ――既に其方の逃げ場は無いのじゃ!」


 “泣き顔”が見回す先――()()()()()蒼炎の壁に覆われている。虫一匹の抜け道も無さそうだ。



「では――潔く燃え尽きよ!!」


 青姫が片手を天に掲げると、極大規模の蒼炎球が形成される。


 そして、“泣き顔”の周囲一帯を灰塵(かいじん)に帰そうと、炎球は止まる所を知らずに膨れ上がった。


――<豪火球>


 見た目が示す通り、威力と影響範囲をどこまでも追求した全力の炎球だった。


 青姫が掲げた手を“泣き顔”に向けると、<豪火球>が一直線に向かっていく。


 

――“泣き顔”は視界一杯に広がる“蒼”に呆然と立ち尽くし――忽ち飲み込まれ消滅した。



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