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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
【第二部】“旅立ち”編
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【第二部】第三十五章 迫り来る脅威

――村・中央広場――



 中隊規模の敵を片付け終えた神楽達は、後続が来ないことを確認し、村の中央広場に移動していた。すぐさま団長の元に伝令が駆けつける。



「森林部の戦いはどうなっている?」

「水神様の御力で山火事は消化され、戦線を立て直しつつ敵軍の撃退に当たっております」


 敵の放火により一時は劣勢に追い込まれていた団員達も、何とか持ちこたえている様だ。神楽が琥珀に意識を向けると、どうやら<闘気解放>をしながら敵を掃討している。これなら戦線が破られることも無いだろう。


 <闘気解放>は一時的に爆発的な力を得る代わりに消耗が激しく、継戦能力が犠牲になることから、なるべく早めに勝負を決めたいところだ。


「では、森林部の援護に回りましょうか?」

「そうだな。神楽達は森林で交戦中の部隊の援護に――」


「いや、待て――“奴”が来るぞ」



 蛟が視線を向ける方角には、今まで全く動きを見せなかった後方の敵陣があった。今なお一個中隊――二百人――程度の敵兵を擁している。蛟の言う“奴”というのは、蛟をして“人では敵わぬ”と言わしめる存在であり、神楽であろうと、“戦えば負ける”との忠告を受けている。



――本当の脅威は、これから訪れようとしていた。



「“奴”は真っすぐこちらに向かって来ておるが……他にも、強い気配を放つ者達が数体、森林部に向かっておるな」


 『奴”よりは劣るが』とのことだが、蛟が強者と認める以上、並々ならぬ相手であるはずだ。それが複数。嫌が上にも、神楽達の危機感が煽られる。「奴が来る」と聞いて稲姫の表情が険しくなり、手が胸元で強く握られた。


「そうか……じゃあ、俺はこの場に残るよ。――青姫、森林部の援護に行ってくれないか? 琥珀と協力して、そいつらの相手をしてくれ」

「承知じゃ!」


 すぐに飛び立っていく青姫に神楽が声をかける。


「ヤバいと思ったらすぐに知らせてくれ! 生き残ることが第一だぞ!!」

 

 青姫は振り返ると、笑顔で神楽に手を振り、そして森林部に飛び去って行った。


「では儂らは、その“奴”とやらを迎え撃つとするか。――さて、どの様な化け物かのぅ」


 富岳が厳しい表情で村の入口を睨む。



――そうして、神楽は“奴”に出会った。



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