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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
【第二部】“旅立ち”編
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【第二部】第二十三章 今後の方針決め

――宿――



「じゃあ、これからどうするかを相談しようか」


 宿につき仮眠を取り夕食を取り、お世話になった人達に合格連絡をし――やるべきことが済み、ようやくこの話題に入れた。


「エクスプローラーになったから、色んな所にいけるでありんすね?」

「そうだ。今までとの一番の違いはそこだ。立ち入り禁止地域にも入れる様になった」


 そう。この世界は、人類の未到達地域や危険な立ち入り禁止区域が多く存在する。


 エクスプローラーとその随行者(ずいこうしゃ)は、それら、一般人の立ち入り禁止区域への侵入が許可される。


――もちろん、何かあっても自己責任なので、慎重な判断は必要になるが。



「なら、(カエデ)ちゃんのところに行くにゃ!」

「そう言えば、琥珀はここに来る前は、楓と一緒に別の大陸にいたんだったな。場所は覚えてるか?」


 楓というのは、アレンが自らの出自――“御使いの一族”で神楽(カグラ)として幼少期を過ごした際の、妹の名だ。


 アレンは“ある時”以前の記憶と力が欠落しているが、琥珀と稲姫に記憶を呼び起こしてもらい、楓のことも不完全ながら思い出せていた。


「覚えてるにゃ。この前行ったトニトラス山脈を東に抜けて、更にずっとずっと東に進むにゃ。ここ“エルガルド大陸”を抜けて、“(なか)(くに)大陸”に入った先の、とある森の中に隠れ住んでるにゃ」


 アレンはエクスプローラーになる際に受け取った腕輪型のデバイスを操作し、大陸地図を表示する。琥珀と稲姫も覗き込み、“中つ国大陸”の場所と、楓がいるという森の場所を教えてくれた。



「琥珀……本当に、よくここまで来たな」

「さすがに疲れたけど、二人に会えるのが楽しみだったから苦じゃ無かったにゃ!」


 琥珀は稲姫の目覚めをどうやってか感知し、アレンと稲姫のいるところまで“走ってきた”と言う。琥珀の固有技能<肉体活性>は周囲の気をも取り込み肉体を強化するが、いくら何でもそれは――


「琥珀ちゃん、遠くからありがとうござりんした!」

「にゃはは♪ 全然平気にゃ!」


――稲姫と琥珀が抱き合って盛り上がってるからつっ込みを入れるのは野暮ってものだろう。アレンはそういうものだと受け入れた。



「楓は無事なんだよな?」


 琥珀がいなくなって大丈夫だろうか。


「あの隠れ里はそう簡単には見つからないと思うにゃ。でも、やっぱり心配だから顔を見に行きたいにゃ」

「なら決まりだな。次の目的地はそこだ」


 琥珀が驚きで目を見開く。


「いいのにゃ? ――ご主人は、その……金髪の()()()を探してるんじゃなかったかにゃ?」

「――稲姫、()()、なんだろ?」

「――ごめんなんし」


 稲姫が狐耳をしゅんとさせながら回答を拒否する。稲姫は俺の探してる金髪碧眼の少女について何か知っているらしいのだが、強大な敵の存在もあり、情報を()せられている。


 アレンが力を蓄えてその敵に敵うと稲姫が思えれば教えてくれるそうだが――


 アレンはしゅんとした稲姫の頭をワシャワシャと()でた。


「でも、わっちも、その子の居場所までは分からないでありんす」

「誰かは知ってるけど、居場所は知らないってことか……」


 その情報は初めてだな。だが、とにかく今は――


「稲姫がNO(ノー)と言うのだから、今は強くなることを優先する。楓達のところに行けば、俺の失った力も回復出来るかもしれないしな」


 “御使いの一族”の里に行けば、“縁結びの儀式”を行うことができるだろう。もしかしたら、失ってしまった力を回復できるかもしれない。


 それに、協力してくれる妖獣もそこで見つけられるかもしれない。戦力を拡充させる意味でも、行く意味は大いにあるだろう。



「じゃあ、早速明日から向かうにゃ!」

「あ、すまん。明日はちょっと行きたいところがあるんだ」

「どこでありんすか?」


 アレンはデバイスを付けた腕を二人に(かか)げて見せる。


「正式にエクスプローラーになったからな。ある程度の機密情報も調べられる様になったんだ。だから明日は、西区にある“図書館”で“中つ国”や“東の島国”の情報を調べてくる。二人は自由にしててくれ」



――そうして、アレン達の今後の行動方針が決まった。



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