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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
第七部 “和国・北洲の戦い”編③
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【第七部】第七章 羊富山に

――後城南の羊富山(ようふさん)の麓――


 後城を遠くから視認した神楽達は南にまわり込んで、暗部との合流場所である羊富山の麓に降り立った。夕陽は沈みきり、今やすっかり夜の帳が降りている。


「少し後城から離れ過ぎじゃないか?」

「仕方ないだろう。近くだと隠れる場所もないし、ここが暗部の潜伏先だって言うんだから」


 八咫達はすぐにでも後城に向かいたいのだろう。直接言葉にしなくても――いや、途中実際に何度もそう声に出していたが――ソワソワしている様から一目瞭然だ。


 だが、大事な人質の救出作戦だからこそ、きちんと準備する必要がある。


 ここを合流地点に指定してきたのは暗部だ。法明からつないでもらい連絡を取りあった結果、作戦行動前に顔合わせをすることになった。こちらには烏天狗もいることは既に伝えてあるので、作戦行動中に敵と見誤って攻撃されないようにするためだ。


 そういう意味では鈴鹿御前の手の者達も顔合わせしておきたがったが、それは鈴鹿御前に拒否された。


 人界軍と遺恨しかない現状、直接顔を合わせたらろくなことにならないから自分の手の者達はあらかじめ後城内に潜伏させておき神楽の合図に従い行動開始させる、とのことだ。


 神楽としては事前に会っておきたかったが、余計な揉め事は避けるべきなのはその通りなのでうなずいておいた。


 また、鈴鹿御前の手勢が協力することは暗部にはまだ伏せておくよう鈴鹿御前に言われている。


 実際に人質を助けた後に話を通した方が和解を進めやすいからとのことだから神楽としても異論をはさみにくい。


 人質の救出現場で味方の同士討ちが起きたら笑えない旨を伝えたが、そこは襲撃場所を別々にすることを提案され受け入れた。


 先を全て見通すかのような鈴鹿御前の頭の回転の速さにゾッとさせられるおもいだが、理屈が通っている以上はひっくり返しにくい。


 そんなこんなで、神楽達は暗部とのみ顔合わせするためにこの場所に来ていた。


 約束の場所付近に降り立つと、やがて、男女一人ずつが近くの木陰から現れ神楽に歩み寄ってきた。


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