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幕間――追憶――
『神楽。汝の覚悟はよくわかった。縁を結ぼう』
『ほんとか!?』
『ああ。――だが、これだけは忘れるな。力はただ力だ。使い方次第で、今度はお前が誰かを泣かせる側になる』
『――わかってるよ……』
『儂が汝の復讐に力を貸すのは、其奴があまりに危険な存在であること――そして、『汝ら里の者を見守り助ける』と、かつての友と約束したからだ。それをゆめゆめ忘れるな』
『あぁ、わかった。――ありがとな』
『気が早すぎるぞ。これからだろう? それに、其奴の力が話通りのものであるなら、儂の力をもってしても敵わぬだろう』
『もっと……もっと強くならなきゃな』
『そうだ。そして、決して力に溺れるな。何のためにその力をふるうかを見誤るな。力には責任が伴う。――これは、汝のためでもある』
『うん……。蛟の言ってることは、正直、本当の意味で理解できてはないだろうけど、真剣に伝えようとしてくれてることはよくわかったよ』
『今はそれでよい。――一人で抱え込まずともよい。これからは、儂も共にあるのだからな』
『そうだな……。――蛟』
『なんだ?』
『ありがとな』




