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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
第六部 “和国・北洲の戦い”編②
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【第六部】第七十九章 鍛治②

――富央城・二の丸――


 鍛治屋はいくつかあるが、椿は二の丸にある鍛治屋に向かった。単に、自分の行きつけだからだ。


 それに、二の丸の鍛治屋は三の丸の所以上に腕の立つ者が多い。より価値あるモノを中枢に近い安全な場所で囲いたいと思うのは、自然の原理だろう。


 富央城を奪還してまだ三日だ。清掃や準備に追われ本格稼働には程遠い。


 そして、鍛治は侍の生命線。休むわけにはいかない。必然的に、鍛治場復旧と鍛造、手入れが平行して行われている。


 ある意味、一番忙しい職場だった。


――二の丸・鍛治場――



「たのもう~~~っ!!」


 鍛治場の戸を開け、椿が大声でよばわう。


 侍大将の急な登場で、鍛治場内が沸き立った。


「椿様!」

「お疲れ様です!!」


 鍛治師は皆、笑顔を向けてくる。だが、椿の後ろに歓迎できない者を見るや、すぐに顔がこわばった。


「親方はいるか?」

「……はい。親方ぁ~~~!!」


 弟子の一人が口元に手を当て、部屋の奥に大声でよばわう。しばらくして、奥の戸が開き、一人の偉丈夫が出てきた。


「おぅ! 椿の嬢ちゃんじゃねぇか!! それと――ああ、そういうことか。――お前ら!! 仏頂面下げてねぇで打ち続けねぇか!!」


 最後の台詞は弟子達に向けてのものだった。こちらを見ながら手を止めているのではっぱをかけたのだ。弟子達は直ぐに仕事を再開する。


「――ったく。で、椿の嬢ちゃん。今日は何用で?」


 半ば答えは知りつつも、親方はあえて椿からの答えを求めた。椿も直球で答える。


「単刀直入に言う。私の新たな弟子――ここにいる琥珀に刀を打ってもらいたい。それと、そこのクリスに薙刀をだ。――できるか?」


『できるか?』と投げかけつつも、椿の物言いには有無を言わせぬ圧がある。それは、親方にも直ぐに伝わった。


――だが、事はそう一筋縄には行かない。


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