表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
第六部 “和国・北洲の戦い”編②
417/494

【第六部】第五十章 お肉

――富央城・三の丸・屋敷――



「ふぉおおお!? ほんとにお肉でござる!!」

「戦勝祝いもかねてな。昨日は慌ただしかったからな」

「……ねねちゃん。これもあげる。あ~ん」

「あ~ん♪ ……おいしいでござるよぉ!?」


 レインがねねに餌付け――いや、あーんで料理を食べさせてあげている。


 猪の肉だった。戦時中ということもあり、狩りに出る余裕はあまり無いため肉は貴重だ。


 神楽達も普段は節約しているが、今日は特別。富央城奪還祝い――そして、口には出さないがねねの正式な歓迎会として奮発している。


 料理したのはラルフ。見た目のゴツさに似合わず、繊細な味付けに定評があり――というか、仲間内で一番料理が上手い。神楽はそう評していた。


 特に肉料理は絶品だ。野菜と調和させた料理も得意とし、ラルフさえいれば無人島でも生きていけるんじゃないかと言える程の頼もしさだった。


 ねねはほっぺに料理をつめ、足をジタバタとさせて喜びを全力であらわしている。


「これ、ねね。食事中にはしたない」

「今日ぐらいはいいでありんしょう? ほんとに美味しいでありんすよ!」


 青姫が軽くねねに注意するが、隣の稲姫がまぁまぁとなだめる。足をジタバタさせてはいないが、稲姫のしっぽは元気よく左右に振れている。


 仕方ないなと言うように青姫は笑いながらため息をつき、自らも箸を進めた。


「ワイン飲もうか」

「そうだな、確かまだあっただろ」

「……私も少し欲しい」


 エーリッヒ、ラルフ、レインはワインを荷物から取り出して飲み始める。やたら大荷物だと思っていたら、嗜好品は欠かしていなかったようだ。ちゃっかりしている。


「クリスももっと食っていいぞ?」

「うん。美味しいね」


 クリスはモグモグと少しずつ食べていた。まだ箸の使い方に慣れないのだろう、その進みは遅い。だが、本人の言う通り美味しそうに食べ続けている。


 エーリッヒ達青ノ翼は食に関しての経験値が高く、箸を使ったこともあるようですぐ慣れていた。――実に器用な三人だった。



 他愛もない話をしながら食事を進める。皆が笑顔となり、昨日のピリピリ感が嘘のように明るい食卓を囲むのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ