表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
第六部 “和国・北洲の戦い”編②
413/494

【第六部】第四十六章 クリスは

――富央城・本丸・仮設指令所――



「クリスはそうだな……ここに残ってくれるか? 琥珀のフォローに回ってくれ」

「…………わかった」


 神楽からの指示だったが、言われたクリスはたっぷり間を置いての返答だった。表情もどこか不満そう――いや、不安そうだった。


「大丈夫か? 不安なことがあるなら言ってくれ」

「そ、それは――」


 神楽が気遣わしげに声をかけるも、クリスは顔を赤くしてモゴモゴと言いよどんでしまう。


――女性陣はピンと来た。だが、誰もフォローしない。“ライバル”に塩を送るつもりは無いのだ。


『神楽と一緒にいたい』。女性陣の目にはクリスの態度はそう映っていたし、実際のところそれは当たっていた。


「何でもいいぞ? なんなら、後で個別に――」


「クリス! 一緒にここを守るにゃ!!」

「……うん。そうしてもらえると心強い」

「じゃな。クリスは強い。術の苦手な琥珀をフォローしてやって欲しいのじゃ」

「そうでありんすね。琥珀ちゃんを助けてあげて欲しいでありんすよ」


 皆が一斉にまくし立てる。決して嘘ではないが、『クリスは()()だ』と言うのが、女性陣の共通認識だった。


――危害と言うよりも、()()の面で。


 皆から言われ、クリスはちらりと神楽を見る。


「俺も頼りにしてる。任せたぞ?」


 そんな鈍感な神楽に、これ見よがしにため息をついて見せるクリス。


「わかった。――でも、()()()()()()()()()


 皆を見回しそう宣言するクリス。――女性陣の交わす視線間でバチッと火花が散る。


 エーリッヒはそんな様子をニコニコと見守っていた。



 その後、椿達と作戦の詳細について話し合う神楽達。大まかな方向性は決まった。


 軍の陣容についてはまだ詰めきれてはいないが、この後急ぎで椿や法明で固めるとのこと。一旦、椿が場を締める。


「また急な出陣とはなるが、出立は明後日の早朝だ。各自、支度を整えてくれ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ