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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
第五部 “和国・北洲の戦い”編①
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【第五部】第八十章 富央城攻略戦⑯

――本陣後方――



「椿!!」

「姫様。牛頭を討ち取って参りました……」


「主様! ――琥珀ちゃん!?」

「稲姫。すぐに琥珀を休ませたい。すまぬが、寝所へ案内してくれぬか?」

「わかりんした!」

「神楽。――皆、生き残れた様だな」

「だが、琥珀が……」


 青姫が気を失った琥珀を、神楽が疲弊した椿を抱えて、イワナガヒメや仲間達のいる本陣後方へと戻ってきた。


 青姫は稲姫に案内されて、琥珀を抱えて近くの天幕へと運んで行く。神楽も続こうとしたが、思わぬ大音声に足をぬい止められてしまった。



「バカ! こんなになるまで無茶をして!! 牛頭を討ち取った!? そんなことより、わたくしはあなたに無事に戻って来て欲しかった!」

「ですが姫様……。誰かがやらねばならぬことでした。ここまで事が上手く運んでいるのは、牛頭や側近達――敵の首魁を本隊から分断して殲滅したからでしょう」


 目尻に涙をためながらイワナガヒメが椿を見上げて睨む。椿は困ったように力無く笑いながらも、必要なことだったと反論した。


 イワナガヒメは、血だらけの椿の胸元に顔を埋めた。


「姫様いけません! お召し物が汚れてしまいます!!」

「椿……もう無理をするのはやめて……? お願いだから……」

「姫様……」


 イワナガヒメは椿の胸元に抱きついたまま肩を震わせる。椿は困ったように周囲を見回し、神楽がこちらを見ているのに気付くと、困ったように笑った。


 そんな時、神楽と椿の二人に声がかけられる。


「我が君。――其方も。ちと、話があるのじゃ」



――それは、常に無い程顔を怒りに歪ませた青姫だった。



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