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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
第五部 “和国・北洲の戦い”編①
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【第五部】第七十九章 富央城攻略戦⑮

――富央城・二の丸――



「彩乃様! 二の丸の制圧が完了しました!!」

「わかった。後は、本丸と――」


 それは、彩乃が隊員からの報告を受けている時だった。



「天守閣は、椿様が牛頭共を討ち取ったぞぉっ!!」

「「「オオオオオォォォォッッ!!!!」」」


 今日一番の鬨の声が上がった。地を揺るがす程の大音声がわき起こる。


「やはり椿様は流石だ……」


 牛頭は直接自分が討ち滅ぼしたかったが、今は喜ぼう。彩乃は寂しそうに少し笑うと、気を引き締め直す。


「このまま本丸を奪還する! 負傷して手当てが必要な者は下がれ!! まだ戦える者は私に続けぇっ!!」

「「「オオオォォォォッッ!!」」」


 再び鬨の声が城内に木霊する。もう勝敗は火を見るよりも明らかだった。


 一番の障害だった牛頭やその側近の精鋭達が椿達に討ち取られた以上、後は強引に押し込める。


 彩乃達は二の丸から本丸へと怒涛の勢いで押し寄せるのだった。


――本陣――



「そうか。喜ばしい戦果だ。いつぶりだろうな……。いや、今は詰めを間違えぬよう集中しなくてはな。状況に変化があれば直ぐに報告しろ」

「はっ!」


 法明は伝令から報告を受けていた。伝令は笑みを堪えきれないくらいに嬉しいのだろう。口元がにやけていた。報告を終えると、常には無い軽い足取りで戦場へと戻って行った。


 報告は<護符通信>も用いるが、あまりに多数に繋ぐと混線して騒がしくなり過ぎるため、情報が集約される法明は口頭での伝達も用いていた。


 また、直に伝令から報告を聞くことで、その表情や仕草から戦況もある程度は読み取れる。戦況を正確に捉えるため、法明は自分にかかる労苦を惜しまなかった。


(他の者達もよく頑張っているが、やはり今回は椿達の働きが大きいな。神楽……そして、強力な味方の神獣達か……。彼らが味方でいるという僥倖、何としても有効活用せねばならんな)



 自分達の力だけで成し遂げた戦果ではない。法明はそれを再び肝に銘じ、最後の詰めに集中するべく、再び戦況の把握に努めるのだった。


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