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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
第五部 “和国・北洲の戦い”編①
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【第五部】第七十章 富央城攻略戦⑥

――富央城・山麓・本陣――



「報告致します! 彩乃様、唯様率いる先駆け部隊が富央城に到着しました!! 予定通り、彩乃様率いる侍部隊は正門前に、唯様率いる陰陽師部隊は裏門前へと向かっております!!」


 伝令が本陣にいる法明に戦況を伝える。天守閣への奇襲部隊は椿に任せており、この本隊は法明が指揮を取っていた。


(カスミ)長門(ナガト)(シノビ)部隊は?」

「そちらも予定通り城内に侵入したとのことです。霞様の部隊は正門を開きに、長門様の部隊は裏門を開きに向かっております! 開門ももう間も無くかと!」

「そうか。順調だな」


 法明は満足げに頷いた。



――忍部隊。


 神楽達には伏せているが、人界軍が有する暗部組織である。


 普段は偵察や諜報、要人暗殺を主任務としており、戦時では今回のように敵地に侵入して工作や撹乱を行う。


 椿達侍部隊や法明達陰陽師部隊が表の正規軍だとしたら、忍部隊は裏の暗部となる。実際に、彩乃がそうしていたように暗部呼びされることも多かった。


 神楽達に伏せているのは、神楽達が新参でまだ信用しきるには危険だという法明の判断だった。


 作戦会議前に椿やイワナガヒメに法明から<護符通信>で伝えたところ二人は不満そうだったが、「法明がそう判断するなら」と引き下がった。


 実は、神楽達奇襲部隊にも、わずかながらの忍を付けている。いざという時の助太刀や対応が難しいところのフォローに回らせているが、状況を監視、報告させるという目的もあった。


 空を飛び奇襲をしかける神楽達に遅れないため、あらかじめ富央城近隣の森に隠れていたのだ。隠密行動を得意とする忍だからこそ取れる方法だった。


『それなら初めから忍部隊を天守閣の奇襲に向かわせればよいのではないか』とも考えられ、実際、神楽達が現れる前はその案が主流だった。


 だが、天守閣に居座る牛頭やその側近の神獣達が単純に戦闘力で手強いこと。北州中央の富央城だけでなく、今後も多方面に活躍してもらわなければいけない貴重な戦力であることから、椿や法明達を悩ませていた。


 そんな時に神楽達のような頼もしい戦力を得られたことは椿や法明達にとって誠に僥倖であり、忍部隊は本来得意とする裏方任務に注力できるようになったという訳だった。



「準備は万端整った。――開門後も報告を絶やすな。劣勢の所があればすぐに報告しろ。助勢を向かわせる」

「はっ!!」


 伝令が走り去って行く。ここからが戦いの正念場だった。法明が仲間達を想い独り言ちる。



「さて……頼むぞ? お前達」



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