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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
第五部 “和国・北洲の戦い”編①
333/494

【第五部】第六十二章 【過去編】⑤縁結び……ピノ

――“御使いの一族”の里・神盟旅団本部・お堂――


 ピノと二人で円形の縄の中に入ると、神主が祝詞をとなえ始める。


 やがて――


「ん? ――んん?」


 ピノと面対して手を繋いでいると――ピノは手と言うより羽だが――神楽は自分の手がムズムズするのを感じる。


 だが、今は儀式中。なんとかこらえる。やがて、縄の外にまかれた粉が舞い上がり純白に輝き、儀式は終わった。



「ピノ! 綺麗じゃったぞ!!」

「えへへ……♪」

「むぅ~……! ピノちゃんには負けられないでありんす!!

主様! わっちとももう一度やるでありんすよ!!」

「これこれ稲姫。我が君も疲れ……我が君?」


 皆に迎えられる神楽とピノ。皆で取り囲み、儀式の成功を祝しているところ、青姫が神楽の様子がおかしいことに気付く。


 両腕を抱き抱えて、何かを我慢するようにこらえている。


 そして――


「もう無理!」


 ポン! と小気味よい音が神楽から出て、()()()()()()()()()()()



「「「……………………」」」


 皆、絶句。さしもの神主ですら、口をぽかんと開けている。いや、一人例外がいた。


「ピノと同じですの! カッコいいですの!!♪」


 ピノが、『仲間が増えた!♪』と言わんばかりに神楽の周りを嬉しそうに飛び跳ねる。


 ハッと我に返った皆が、慌てて神楽に殺到する。



「い、いやいや我が君! 大丈夫かえ!?」

「ご、ご主人がおいしそうな鳥に!?」

「主様! 戻れるでありんすか!?」

「……神主さん。どういうこと?」

「いや、私にも何が何だか……。――ちょ、胸ぐらを掴まないで!」

「落ち着けレイン!」

「そうだよ。まずは戻れるかだよ」


 皆が混乱に陥る。戻れるか試してみようということになるが――



「その前に、折角だしさ。空を飛んでみたい」


 神楽は非常にソワソワしながらお堂を出たがっていた。



 神楽の緊張感の無いセリフに皆が脱力し無言でいると、神楽はそれを肯定と受け止り、ピノと二人で嬉しそうにお堂の外に飛び出すのだった。



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