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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
第五部 “和国・北洲の戦い”編①
331/494

【第五部】第六十章 【過去編】③縁結びに

――“御使いの一族”の里――



「我が君。この後はどうするのじゃ?」

「ん~……。皆、行きたいところはあるか?」


 団子屋で軽い飲み会となってしまったが、本来の目的は休暇で、ガイルから里案内を頼まれたからとりあえず団子屋に入ったのだ。


 当のガイルはと言うと――



「ん? あぁ。どこでもいいんじゃねぇか?」


 酒で既に赤ら顔である。他の酒を飲んでいたメンツ――朱雀や白虎、琥珀、ラルフも同じだ。


 ガイルは白虎とご機嫌に肩など組んでいる。神楽はひっそりとため息をついた。


(まともなとこに、こんな酔っ払い共を連れていけないだろ……)


 止めなかった自分にも責任はあるが、あまりにあまりである。神楽がさてどうしようと悩み始めたところに、酔っ払いの一人である朱雀からリクエストが入る。


「神楽よ! 余は“えにしむすび?”とやらをしてみたい!! 案内するのじゃ!!」

「いや、酔っ払ってるし、流石に追い払われるだろ……」

「その時はその時でいいじゃねぇか! 俺も興味あるし、行ってみようぜ!!」


 朱雀の提案をガイルが後押しする。


(怒られんの、俺なんだが……)


 神楽は内心ため息をつきつつも、里を知らない人らのための案内が目的でありそのリクエストとあれば断りにくく、朱雀の提案通り、皆を連れて縁結びのできる神盟旅団本部へと向かうのだった。


――神盟旅団本部・お堂――



「神楽……。これは何かの冗談かね?」

(ほらやっぱり!)


 神盟旅団本部に着くと、神楽は真っ直ぐお堂に向かった。縁結びはそこでできるのだ。


 酔っ払い達を連れて入ると、案の定、神主さんのこめかみに青筋が浮く。にこやかに神楽を糾弾してくる。神楽はそっと目を反らした。


「細かいことはよいではないか! 早う“えにしむすび”とやらをやろうぞ!!」

「す、朱雀……。マズイって……ぷふっ」


 朱雀が赤ら顔で神主の坊主頭をペシペシと叩く。はよせい!と。神楽は控え目に朱雀を諭すが、思わず笑ってしまった。


「……神楽のことを心配して言ったのですが、もう知りません。――やりましょう。で、誰がやりますか? この朱雀さんだけですか?」

「か、神主さん。すみませ――」

「俺もやるぞ!!」

「ピノもやってみたいですの!」


 キレた神主さんがへそを曲げてむしろやる気になってしまった。そして、白虎やピノも乗り気で、神楽も断り切れなくなってしまうのだった。



――そうして、神楽は朱雀、白虎、ピノと縁結びを執り行うことになるのだった。


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